水の電気分解による水素製造は、再生可能エネルギーによる電力を使い、「貯められる・運搬コストが安い」エネルギーキャリアである水素を効率的に生成する技術と期待される。
水電気分解技術のひとつである固体高分子型(PEM型)水電解は、純度99.999%かつ高圧(30 bar以上)の水素を高いエネルギー効率で生成できる利点がある一方、使用する電極が貴金属(白金、イリジウム)であるため、システム全体としてのコストが高いことが問題である。
この度、筑波大学 数理物質系所属の伊藤良一准教授は、PEM型水電解において、カソードをニッケルモリブデン合金に、アノードをCr、Mn、Fe、Co、Niからなる高エントロピ...