Advantages
- 循環型社会で求められる解体性・リサイクル性を考慮した異種材接着技術
- マイクロ波により接着剤に含有するセラミック粒子を発熱させることで接着部のみを加熱・劣化することができ、解体が可能
Background and Technology
環境問題の深刻化、環境意識の高まりに伴い、様々な工業製品のリサイクルが法的に義務化されるようになっている。一方、自動車や航空機の軽量化のために炭素繊維複合材料(CFRP)や軽量金属合金が用いられており、それら異種材料の接合の多くには接着が用いられているが、解体の難しさがリサイクル困難な製品を生み出す要因にもなる。リサイクルの観点からは十分な接合強度を有しながら、必要な時には剥がすことができる解体性接着剤が求められる。
従来技術としては、熱可塑性接着剤があり、加熱により接合部の解体が可能であるが、冷却すると接着力が復元するため、解体は高温雰囲気下で行う必要があり解体作業には危険が伴う。さらに熱可塑性樹脂基材としているため、強度が10 MPa程度であり、特に高強度のCFRPと金属の接合には十分ではない。
大阪大学倉敷先生は、接着剤にマイクロ波の吸収特性を持つセラミック粒子等を含有させ、外部からマイクロ波を照射し、粒子を自己発熱させ接着樹脂部のみを熱分解温度に到達させて解体させる研究を進めているが、この研究を更に一歩進めるべく、エポキシ系接着剤メーカーとの共同研究を希望している。
Data
マイクロ波照射前後の引張せん断接着強さ試験例
マイクロ波照射前(左側)とマイクロ波照射後(右側)
Expectations
エポキシ接着剤を用いた本技術の最適化に向けて、エポキシ接着剤メーカーとの共同研究を希望。
Patent
特許7181571
Researcher
倉敷 哲生 教授
大阪大学 工学研究科 ビジネスエンジニアリング専攻
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