巨大磁歪材料

2022/10/05 14:05 By Tech Manage

コバルトフェライト(CoFe2O4)へ銅を添加した材料で、外部磁場の印加により形状が変化する

Advantages

  • 磁場の印加に伴う寸法変化が大きい
  • レアアースを使用しない材料であり、安価

Background and Technology

磁歪材料は、磁場を印加すると形状が伸縮する磁歪効果を示す。また、材料へ力を加えると磁化の変化が起こり、透磁率が低下するという逆磁歪効果も示す。Tarfenol-Dと呼ばれるTb-Dy-Fe化合物や、Galfenolと呼ばれるFe-Ga合金などは磁場による形状変化も大きく、優れた磁歪効果を示すことから、様々な用途への応用が期待されており、磁歪効果を利用したアクチュエータ(位置決め、光軸合わせなど)や振動子(スピーカー、加速機など)、逆磁歪効果を利用したセンサ(トルクセンサ、回転センサなど)やエネルギーハーベスティングの一つとして注目されている振動発電用の素子としての研究開発が行われている。一方で、従来の材料は、高価であることや機械的特性が悪いこと、単結晶が必要なことなどから使用環境の制限が問題視されており、新たな材料も求められている。
今回、発明者らのグループではコバルトフェライト(CoFe2O4)に銅を添加した材料が優れた磁歪特性を示すことを見出した。本材料は安価に製造できるため、従来材料においてコストの問題で適応できなかったアプリケーションでの活用が期待できる。また、Galfenolよりも磁場による大きな寸法変化を示すことも期待される。

Expectations

  • 室温における磁歪特性を測定した。また本材料については結晶構造の解析も行った
  • 今後は、アクチュエータや振動子、センサ、振動発電素子等の様々な用途に応じた材料特性の制御、最適化、材料の量産化の研究開発が必要
  • 本材料の可能性、どのような物性データが企業での評価に魅力的かなどの観点について企業との情報交換・ディスカッションを希望している。

本材料に関心のある企業や上記のようなポイントに興味を持つパートナー企業を募集しております。追加情報の提供等も可能です。

Patents

特許出願中

Researchers

藤枝 俊 准教授 (大阪大学 大学院工学研究科) 

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