ガラス・プラスチックを基板とする大面積InGaAs赤外線センサ製造技術

2022/03/08 15:14 By Tech Manage

Advantages

  • サファイア基板を使わずにガラスや耐熱プラスチックを基板にでき、製造コストが下がる。
  • 成膜面積の制約が少ないため、大面積イメージセンサ用途に有用

Background and Technology

 赤外光センサの素材としてInGaAsがあり、赤外線カメラとして普及している。

InGaAsは、一般にサファイア基板で製造されているが、この基板はコストが高いとされている。これに対して、ガラス基板を用いた製造手法も報告されているが、十分な品質の膜が得られているとは言いがたい。


 筑波大学数理物質系所属の都甲薫准教授は、前述の課題を解決する、ガラス基板を使った高品質なInGaAs薄膜製造技術を開発した。その手法は以下の通りである。
  1. ガラス基板上に、AlやAuからなる金属膜、AlOxなどの酸化金属膜、そして非晶質のGe膜を成膜する
  2. 加熱処理(500℃以下)によって生じる層交換現象をつかい、Geの多結晶層を成膜する。このGe多結晶層は従来技術に比べて粒径が大きく、そのため高品質な半導体膜を積層することを可能とする。
  3. 表面に露出した金属層をエッチングにより除去し、Ge層を露出する。
  4. Geの多結晶層上にGaとAsを主成分とする半導体多結晶層(例えば、InGaAs)をエピタキシャル成長などにより積層する。

さらに同様の手法を使い、耐熱プラスチックを基板とするInGaAs成膜も実証している。

Expectations

 筑波大学では本技術を赤外線センサ用途に活用する技術実証のためのパートナー(資金協力や人材提供)を募集しております。
本技術によりInGaAsの成膜コストを削減できる可能性があります。実証後、事業化をご希望の場合は、筑波大学からの特許ライセンスもご相談できます。
 また、多層型の太陽光電池にも本技術は有効です。赤外線領域まで含めた太陽光発電素子の低コスト製造が可能になります。さらに、低温成膜が可能ですので、耐熱プラスチックを基板にしたフレキシブル太陽光電池も可能性があります。

Publications

APL 104, 022106 (2014); APL 104, 262107 (2014) 等

Patents

特開2020-38890

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