筑波大学、株式会社吉野家ホールディングス、菱熱工業株式会社による共同研究プロジェクト。玄米を“野菜”として食べる新しい食文化を創造し、量産化に協力いただくことで実用化を共に目指す栽培パートナー企業を募集しています。
量産化後に自社製品として販売することも可能です。
Advantages
- 食材としての魅力:発芽による高い栄養価と、「野菜」として手軽に使える調理の汎用性を両立。日々の食卓に新しい健康価値を提供する食材となることが期待される
- 量産化への確度:栽培プラントの専門企業が参画し、天候に左右されず6日間の栽培サイクルで収穫できる生産プロセスを小バッチで確立済みで量産化への見通しは高い。
- 一般食材化への期待:外食チェーン大手の吉野家ホールディングスの参画により一般消費者への認知度の向上が見込まれており、新しい「スプラウト野菜」としての普及が期待される。
Current Stage and Key Data
本プロジェクトは、筑波大学の基礎研究から実用化フェーズへと大きく前進している。
基礎研究(2018年~): 筑波大学の粉川准教授が栽培条件や有効性の研究に着手。摂食に適した生育制御方法を見出し、2021年に特許を出願した。
スケールアップ試験(2022年8月~): 栽培プラント技術を持つ菱熱工業が参画し、実験室レベルから商業生産を見据えた試験を開始。
3者共同研究開始(2025年3月~): 上記の成果を踏まえ、食の事業化を担う吉野家ホールディングスが加わり、実用化と産業化を加速させるための共同研究がスタートした。最終的には吉野家ホールディングスグループでの商品化も視野に入れている。

- バスケット(644×393mm)とラックを用いた小バッチでの生産装置。バスケット1つあたり約0.2kgの玄米を播種し、6日間の栽培で約0.4kgの玄米スプラウトを収穫した。
- 玄米スプラウトを湯がいた状態。GABA量が比較的多い玄米部分は歯ごたえがあるが硬すぎることはない。
Partnering Model
作物の屋内栽培設備を有し、「玄米スプラウト」の安定的な量産を担っていただける生産パートナーを募集しています。筑波大学と菱熱工業は、確立された栽培技術や量産化ノウハウを生産パートナー企業様へ提供し、安定生産を技術面で支援します。吉野家ホールディングスは、生産された玄米スプラウトの商品化と市場へのマーケティングを担います。
Background and Technology
健康食として知られる玄米は、風味や炊飯の手間から日常的な摂取が難しいという課題があった。この課題を解決するため、筑波大学の粉川美踏准教授は、玄米を「スプラウト」として発芽させ、栄養価を最大化しつつ手軽に食べられる新食材「玄米スプラウト」の研究を2018年より開始した。この試みは、米の新たな価値を創造し、現代人の健康志向に応えるものとして大きな注目を集めている。
Patents
特許第7626449号(特願2021-125796)
Publication
Food Science and Technology Research, 27 (3), 341–349, 2021
Researchers
粉川 美踏 先生(筑波大学・生命環境系)・菱熱工業株式会社・株式会社吉野家ホールディングス
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