全ての振動利用機器の高度化や、メタバース・VR・AR・MRコンテンツで力触覚体験を実現する新たなインタフェース等での活用が期待
Advantages
- 1台で3次元振動:1つの振動子と3つのコイルにより3次元上のあらゆる方向へ振動
- 小型・軽量:少数部品構成により、小型かつ軽量で携帯性に優れ、指輪型などの形状も可能。
- 高出力:永久磁石・コイル体積を大きくとれる構造による高出力化も可能。

Background and Technology
近年、メタバースやVR・AR・MRコンテンツでの手触り・反力感などの力触覚体験を実現するため、ハプティクスと呼ばれる力覚提示技術を用いた振動デバイスが注目されている。実世界において、人は指先で3次元の複雑な力触覚を感じているため、仮想空間においても3次元の力触覚提示が理想となる。しかし、一般に振動デバイスは1軸振動しかできず、3次元振動を実現するためには少なくとも3つ以上の振動モータを組み合わせる必要がある。その場合、振動中心のずれや、大型化、重量増加が課題となり、機構の簡素化と集約が必要であった。
そこで、本研究者らは、1台で3次元振動を実現する「3次元振動モータ」を開発した。本提案モータでは、振動子に対して3コイルが内から外へ重ねて巻かれており、各コイル通電時に生まれる永久磁石との磁気吸引・反発力によって、あらゆる方向へ振動する(下図)。振動子は1つのみであり、ばねで支持することで、3次元動作を実現している。少数部品で構成可能なため、小型・軽量化にも有利で、指先に装着する指輪型にすることも可能である。また、永久磁石・コイル体積を大きくとれる構造のため、高出力である。本3次元振動モータは、全ての振動利用機器の高度化が可能であり、今後メタバースやVR・AR・MRの新たな3次元力触覚インタフェースとしてさらなる応用が期待できる。


Data
- 3次元振動モータの試作機 (20×20×20mm、重さ34.5g) を製作し、コイルへの電流の印加によってx、y、z方面への力の発生を確認した。
- 試作機(Xリアクター)の紹介動画:https://youtu.be/FGb68UGXBTw
Expectations
名古屋大学では以下の企業様との協業を希望しています。
- 本提案モータにご興味のあるモータの製品開発をされている企業様
- 本提案モータを搭載したデバイスの製品開発にご興味のある企業様
- 搭載したデバイスのアプリケーション・ソフトウェア開発にご興味のある企業様
本発明者とのご面談によるお打合せも可能ですので、ご希望がございましたらお気軽にご相談ください。
Publications
Publications
- Heya, A., et al., Journal of Robotics and Mechatronics, vol.35, no. 5, pp. 1312-1320, 2023. DOI:10.20965/jrm.2023.p1312
- Heya, A., et al., IEEE Transactions on Magnetics, vol. 52, no. 2, 6701404, 2020.
DOI: 10.1109/TMAG.2019.2952473
- 名古屋大学・研究成果発信サイト:https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2024/08/-3.html
Patents
特開2024-163796
Researchers
部矢 明 准教授 (名古屋大学大学院 工学研究科)
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