極低温と室温の中間温度部分に熱交換器を設け、蒸気圧縮式等の冷凍機で補助することにより、極低温冷凍機の高効率運転を実現する。
Advantages
- COP(Coefficient of Performance)が約3倍向上し、消費電力が約1/3になる。
Background and Technology
現在の超電導は冷却コストが高いため、MRIや大型加速器、超高分解能NMRなど超電導でしかその性能を実現できないものに限定されている。一方で、超電導を用いることで消費電力を削減できるアルミ加熱や電力インフラ機器などの用途で実用化に向けた研究開発も進められているが、コスト削減は重要な問題であり、効率のよい極低温冷凍機が必要とされている。
GM冷凍機、パルス管冷凍機等のガスサイクルを利用した極低温冷凍機では、極低温から室温まで一つの冷凍システムで熱をくみ上げることにより冷熱を得ているものの、大きな動力が必要となり、運転効率が低いという課題があった。
今回、GM冷凍機、パルス管冷凍機等の極低温冷凍機において、極低温と室温の中間温度部分に熱交換器を設け、低温から室温への排熱工程の一部を効率の良い蒸気圧縮式等の冷凍機で補助することにより、全体の運転効率の向上を実現した。
Data
- 20Kの極低温に冷却する際の本冷凍システムの効率について、シミュレーションにて小型冷凍機(パルス管冷凍機)単独運転と比較したところ、単独の場合のCOPが0.005、本システムでは0.015と3倍向上することを確認した。
- 試作機を用いた実証について進行中。
Expectations
本技術を基にした冷凍機の開発にご興味のある企業を探索しております。
ご興味ございましたら、追加情報の提供や次のステップとして本件研究者との面談をご提案いたします。
Patents
出願中
Researchers
平野 直樹 教授 (核融合科学研究所)
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