納豆菌の「抗ウイルス効果」の解明を目的とした RSウイルス研究とのコラボレーションのご提案

2025/03/18 17:11 - By Tech Manage

Advantages

  • RSウイルスの研究者による、納豆菌にフォーカスした研究アプローチ
  • 医療機関ならではの技術と設備を活かした解析が可能
  • 納豆菌株のRSウイルスへの効果や物性の最新データが入手可能

Background and Technology

RSウイルスは喉や鼻などの呼吸器に感染するウイルスで、乳幼児や高齢者に対して重篤な呼吸器感染症を引き起こすことが知られるが、治療薬は開発されていない。また、現在は高齢者や妊婦を対象としたワクチンが承認済だが、特に小児においては重篤な下気道炎や時として死に至らしめるウイルス感染症であるにも関わらず対処治療に留まる現状である。
本研究室では、RSウイルスの研究を進めており、独自に開発したRSウイルスの安定的な培養・定量法を用いて、納豆菌が分泌するRS ウイルス不活化物質を同定している。そして、これらの研究によって、納豆菌の中でも、その種類によってRSウイルスに対する抑制活性には違いがあることを見出している。これらの知見から、今後、様々な納豆菌の物性や菌体間の活性の違いを確認し、分析化学や遺伝子解析によって各活性物質を紐解き、ウイルス不活化に至る分子メカニズムをウイルス学-細菌学の観点から解明する研究を計画している。 
本テーマは、細菌学、ウイルス学、食品科学・発酵学などの異なる分野を融合させた、独自性の高い研究テーマであり、国民食の一つである納豆という切り口から直接的抗ウイルス効果の可能性を具体的に示そうとする、食品科学研究の新規性の高いアプローチとなる。

Expectations

納豆メーカー様、及び食品・サプリメントメーカー様の協力が得られれば、上記RSウイルス抑制研究の進捗はもちろん、メーカー様にとっても、納豆菌株の有益な情報の獲得となると考え、共同研究にご関心をお持ちいただけると幸いです。

研究を通じて提供可能な内容
  1. 提供された納豆菌株間での抗RSウイルス活性の比較データの基礎検討結果
  2. RSウイルス以外のウイルスに対する抗ウイルス活性の試験結果
    (当研究室では、マウスノロウイルス、ネコカリシウイルス、ライノウイルス、ヒトパラインフルエンザ、ニューモウイルス、インフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、ヘルペスウイルスなどを保有しておりますので、こちらのウイルスに対しての試験は可能です。他にリクエストがあれば対応することは可能です)
  3. その他有用培養菌が分泌する抗ウイルス試験結果 (納豆菌以外にも有用細菌がありますので、微生物生物資源の活用)

ご期待したい主な事項は下記の通りです。
A)メーカー様が保有される納豆菌株等のご提供
B)ご提供株に関して保有される情報や本研究室に取得・提供を希望されることについての情報提供
C)研究資金のご提供

本共同研究に関心をお持ちの企業様がおられましたら、是非ご連絡ください。先ずは研究者とのディスカッションの上、ご相談できれば幸いです。

Researchers

北海道公立大学法人 札幌医科大学 医学部 微生物学講座 助教 山本 聡

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