Advantages
- 先行する殺菌剤と比較し、高い抗菌作用が実証済み
- 4級アンモニウム塩の膜形成作用から、持続性殺菌剤の性能が期待される
- 抗生物質使用規制によって、耐性の出ない効果的な対応策への期待が高い領域
Current Stage & Goals
世界的な酪農牛群の増加に伴い、近年感染症、特に牛の乳房炎の発生率は年々急速に上昇していると言われる。乳房炎については、治療に限らず新たな発生を防ぐための家畜の育成環境、搾乳時・治療後のケアが必要に迫られる一方で、多くの国における抗生物質の使用規制強化などに伴い、革新的な対応法へ業界の期待が高まっている。
こういった環境の中で、酪農家による家畜の感染症予防、治療策として用いられている殺菌剤として、例えばヨード系殺菌剤がある。これらは牛乳房炎にも効果をもたらす一方で、残留の懸念や、過剰に使用すると動物の皮膚や粘膜に刺激を与え、炎症やアレルギー反応などを引き起こす可能性がある。また、牛乳房炎を予防するためには、毎搾乳時にディッピング処置を行う必要があるが、その持続性は限定的であり次回搾乳までの間の感染を十分には防除できていない。こういったことから、より環境・動物への負荷が少なく、且つ感染防御効果が持続する剤が求められている。
本発明者らは、家畜、特に牛乳房炎の疾病リスクを減らす新たな剤として、4級アンモニウム塩系殺菌剤が多量の有機物存在下でも失活しにくいことに着目し、加えて家畜体表面に留まりやすい仮説のもと4級アンモニウム塩カップリング剤を用いてその効果を検証し、高い効果を実証した。

Data
- 抗菌効果比較結果

- 抗菌試験結果 Control(生理食塩水塗布)と0.1%の本剤水溶液塗布のコロニー数の比較結果

Expectations
現段階:本剤の抗菌活性効果のコンセプト実証が完了
次段階:①先行薬剤との比較実証、酪農動物における実証、最適使用方法開発
②薬事承認
上記の開発を進めていただける、開発・コラボレーションパートナー企業を募集しています。先ずは、技術の詳細説明とディスカッションから、スタートさせていただければ幸いです。
Patents
出願済(国際出願)
Researchers
麻布大学 獣医学部 獣医学科 教授 河合一洋、岡山理科大学 獣医学部 獣医学科 教授 篠塚康典
以下のフォームからお問い合わせください