抗がん剤等による“血管痛”を回避するフレキシブルで固定性の高い皮膚ドレッシング材

2025/02/19 13:08 - By Tech Manage

Advantages

  • 血管痛の評価手法に精通し、評価実績の豊富な研究室とのコラボレーション
  • カテーテル、点滴の留置針による“血管痛”はケア方法の未確立な領域
  • 今後も市場拡大が想定される、がん化学療法において高発生する合併症

Background and Technology

血管痛は、抗がん剤治療や浸透圧の高い点滴を投与した際に起こる現象である。抗がん剤などの薬剤そのものによって起こるものがあり、オキサリプラチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、アムルビシン、イダルビシン、ビノレルビン、エピルビシン、ゲムシタビン、フルオロウラシルといった薬剤での血管痛の発症の報告がある。また静脈炎が原因となって起こるものでは、抗生剤や糖濃度の高い点滴での発症が課題とされる。福岡大学病院 消化器外科での調査では、CAPEOX(オキサリプラチン-カペシタビン併用療法)+ BV(ベバシズマブ)による治療で、57.7%の患者が血管痛を訴えたという状況が把握された。また、これら化学療法時の溶液pHの原因指摘からpH調節などの対処法も行ってきたが、それでもなお、数多くの患者が治療時の血管痛の合併症に苦しむ現状が続いている。
本発明者は、このような現状に、血管痛の痛みの客観評価法・装置などを用いて解決策を講じてきた結果、点滴やカテーテルの留置針を固定するドレッシング材に課題を見出し、①留置針を皮膚に固定することによる「皮膚及び血管の圧迫予防」②末梢からの「血流確保」の改善に焦点を当てたドレッシング材を提案するに至った。本ドレッシング材による、静脈を圧迫しない留置針固定方法では、それまで血管痛があった患者で、血管痛が出ないという例を確認している。

Expectations

現段階:本皮膚貼付材の構造・コンセプト設計とこれによる性能実証を完了。
次段階:①最適材料による量産可能なドレッシング材の作製
    ②臨床評価
上記の開発を共同で進めていただける、開発パートナー企業を募集しています。先ずは、技術の詳細説明とディスカッションから、スタートさせていただければ幸いです。

Patents

特開2021‐168904 「皮膚貼付材」

Researchers

学校法人福岡大学

福岡大学病院 医療情報部教授(消化器外科兼務) 吉田陽一郎


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