電子材料開発のキーファクター・重水素化のフロー合成量産装置開発コラボのご提案

2025/07/14 11:19 - By Tech Manage

Advantages

  • 高圧不必要、室温レベル(25℃)の低温反応、原料に重水素ガス不使用の環境負荷の低い反応
  • 高い反応成績(導入率80ー99%、収率80ー98%)
  • 幅広い化合物の重水素化、後合成・オンデマンド合成にも活用可
  • 原料の重水(D2O)はリユース可能、触媒からの分離精製が容易

Background and Technology

昨今、電子材料の性能において、重水素化による化学的安定性や熱的特性を改善する特性が見出されている。また、伸縮振動数を低減させ熱エネルギーの効率性を上げることで、有機ELパネルに使用される発光材料の長寿命化や省電力化につながることにも注目され、重水素化は材料開発の一つのトレンドともなっている。その一方で、従来の重水素化プロセスは、いずれも有機合成プロセスを用いたバッチ式の重水素化法であり、処理方法・工程の煩雑さ・コストが課題であった。
本研究室では、有機合成法によらないプロセスで、多量の廃棄物を排出することなく、常圧・室温で処理可能な、重水素標識化合物フロー合成装置を開発した。具体的には、プロトン導電膜に電極を取り付けた新たな膜型反応器によって、プロトン導電膜のアノード側に重水(D2O)及びプロトン供給源を供給し、プロトン導電膜のカソード側に重水素化する化合物を供給するというコンセプトの装置である。プロトン電動膜としては、現時点でナフィオン膜や酸化グラフェン膜を用いている。プロトン導電膜に通電することにより、アノード側においてプロトン供給源と重水を電気化学的に酸化してH+/D+としてプロトン導電膜を経由し、カソード側に通過するD+/D2と重水素化する化合物とを反応させることによって、重水素標識化合物を電気化学的に合成する方法が提供される仕組みである。
本装置によって、幅広い材料の研究開発段階/製造段階に貢献でき、また、量産性を実現することによって、高性能な電子材料開発の迅速な提供が可能となり、プロセスに革新をもたらす可能性が高い。

Expectations

現段階:プロトタイプ装置による重水素化コンセプトを実証。実施例やメカニズム検証継続中。
次段階:1ー①重水素化化合物の汎用性評価、材料開発評価。
    1ー②量産装置の開発による本装置の産業化。
    2更なる反応効率化のための触媒開発、最適化・応用開発。
いずれも研究室との共同研究/共同開発が可能です。本技術・プロセスを用いた対象化合物の評価、量産装置開発の共同研究・開発コラボレーション、技術指導に関心のあるパートナー企業を募集しています。先ずは、技術の詳細説明とディスカッションから、スタートさせていただければ幸いです。

Patents

  • 出願済(国際段階・未公開)

Publication

Researchers

国立大学法人熊本大学 大学院先端科学研究部 教授 木田 徹也


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