Ga-68高速分離精製から薬剤自動合成が可能な装置共同開発・共同研究のご提案

2021/12/13 13:52 By Tech Manage

サイクロトロン照射後の溶液から、Ga-68をハンズフリーなイオントラッピングデバイスにより薬剤合成までが可能になるシステム

Advantages

  • 従来法の1/10-1/3の処理時間
  • 完全クローズドなフロープロセスで分離精製、濃縮から薬剤合成までが自動化可能
  • 収率Ga>99%
  • 除去金属Znの回収、リサイクルも可能

Background and Technology

 PET(Positron Emission Tomography)は、放射性同位体をマーカーとする高解像度、非侵襲性の画像診断技術である。
これまで、フッ素Fを用いた18F-FDGが癌の診断用に広く使用されているが、腫瘍の性状によって最適でないものがあることや、F-18の半減期が短い(109.4分)ことから、他の放射性核種(RI)の活用ニーズがある。
そのようなRIとして、Ga-68などが放射性医薬品として開発され、具体的には、神経内分泌腫瘍用68Ga-DOTATATE、前立腺がん用68Ga-PSMAがPET/CTに臨床応用され世界規模で需要が拡大している。
これらGa-68の製造装置としては、Ge/Gaジェネレーターも小型で簡易な装置として承認されているが、まだ収量が少ないプロセスであり、また、製造拠点が少なく需要の増大に供給が不足する可能性が高い。

 本技術は、研究室が長年研究するイオン抽出デバイスをもとに、「酸マトリックスによる置換」・「選択的錯形成反応」・「インライン濃縮」を同時に達成するデバイスを設計し、完成したプロセスである。
このプロセスによって、既にfg(10^-15)、pg(10^-12)の微量放射性同位体も、十分な回収が得られることが実証されている。

Data

pH調整とEDTA添加した試料溶液(1.9mL)をループにため、2つのバルブを切り替え、フラクション捕集時間により、Znを除去した高濃度Gaを>99%で回収した。
試料溶液=50fgGa-67/L+0.1gZn/L(トレーサーとしてZn-65を含む)

Expectations

次段階から実用機開発に向けた、共同開発パートナーを募集しております。先ずは、本プロセスの詳細説明とディスカッションから、スタートさせていただければ幸いです。

  • 現段階: 基本原理を確認し、本デバイスによる実験可能な放射性同位体(Ga-67/Zn-65)で、分離・精製・回収性能を実証した段階です。
  • 次段階: Ga-68/Zn-68での本装置での再現性実証。薬剤合成までのフロー装置の開発・実証。

その他の放射性同位体や金属の分離、精製、除去、リサイクルの本技術の応用、実用化についても、お気軽にご相談ください。

Patents

国内出願済

Researchers

熊本大学 大平慎一・戸田 敬、量子科学技術研究開発機構 須郷由美、高知大学 森 勝伸


英文概要はこちらよりご確認ください。

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