熱エネルギー供給の不必要な新たなメタネーションプロセス/装置

2021/01/12 00:00 By Tech Manage

酸素ガス供給・コントロールによる室温設定でのメタン化反応

Advantages

  • 濃度コントロールされた酸素ガスを供給する新システム
  • 従来のメタネーション反応における熱エネルギーコストがゼロに
  • 生成メタンは酸素共存下で燃焼せず、収率は100%
  • 120時間以上の連続運転、5回のDSS(Daily Start-up and Shut down)運転でも触媒失活なし
  • 触媒層温度が500℃近くまで上昇しても、触媒劣化が少ない(RuやNiのタンマン温度以下)

Background and Technology

 火力発電所や鉄工所に限らず、現在、産業排ガスに多く含まれる二酸化炭素をメタンに変換し、二酸化炭素の排出を抑制し、エネルギーとして有効利用することが、様々な産業において検討されている。二酸化炭素及び水素からメタン及び水を生成するメタネーション反応が下記の反応であり、このプロセスが利用されている。
 CO2+4H2 → CH4+2H2O・・・メタネーションプロセス
 その際、原料となる排出された二酸化炭素ガスには、一般に4-15体積%もの酸素を含むことがあるが、この酸素が、メタン生成のために用いる触媒金属と反応し、金属酸化物となってしまい、触媒としての性能を失活し易くなる。そのため、酸素を含む排ガス原料から、酸素を除去することが望ましいといわれている。また、メタネーション反応には、反応開始のために300℃程度の加熱が必要であるが、このエネルギーコストの改善も課題である。
 本発明者らは、反応器にH2,O2、CO2の原料ガスを供給し、水素ガスの触媒燃焼による反応熱によってメタネーション反応が開始し反応持続するプロセスを発明し、新たなプロセスとして構築した。

<本プロセスの概念図>
主なプロセスの例は下記の通りである。
① 反応装置に触媒をセッティングする。
② 酸素濃度調節部において、排気ガス中の酸素濃度を約5%にするために、水素を加え触媒燃焼をさせる。
③ 外部からの加熱が無くても、触媒燃焼により350℃近くまで上昇するため、この熱を用いて排気ガス中CO2のメタネーションを開始させる。
④ 反応温度に応じ、最適な転換率となるよう、酸素濃度調節部で酸素濃 度を調節する。

本プロセス・装置により、酸素供給を最適に行うことで、初期設定温度25℃で酸素除去工程もなく、従来とほぼ同等レベルの転換効率でメタネーション反応が進むことが実証された。

Data

Ru/CeO2触媒へCO2、H2、O2を含む原料ガスを導入した際のメタネーション室温起動データ
 左図(a)CO2変換率 中央図(b) CO2変換率の変動様態  右図(c)反応室入口中心温度

酸素濃度が高いほどCO2変換率が上昇しやすいことから、酸素供給を行うことで、メタネーション始動温度をより低温にすることができ、スピーディーに起動できることが実証された。また、メタネーション起動後の温度を一定に保つことができ、酸素濃度が高いほどメタネーション温度が高いことが示された。最終的なCH4転換率は、現在実証機レベルで78.6%に達している。

Publications

  • C.Fukuhara et al. Auto-methanation for transition-metal catalysts loaded on various oxide supports: A novel route for CO2 transformation at room-temperature and atmospheric pressure. Chemical Engineering Science, Vol.219, 29 June 2020, 115589
  • C.Fukuhara et al., Performance characteristics of auto-methanation usingRu/CeO2 catalyst, autonomously proceeding at room temperature. Fuel, Vol.282, December 2020,118619

Researcher

国立大学法人静岡大学 大学院総合科学技術研究科 エネルギーシステム部門 教授 福原 長寿

Expectations

本メタネーション装置の実用化開発に関心をお持ちの企業、または、本プロセスの更なる最適化のための共同研究パートナー企業を探しております。

以下のフォームからお問い合わせください