筋肉組織から夾雑物が少なく大量の骨格筋幹細胞を短時間で採取
Advantages
- 従来法の1/4の時間で1000倍量のサテライト細胞を採取可能
- 専用の櫛で筋繊維に沿ってすくだけであり、省力化・自動化が可能
Background and Technology
将来的な食糧不足、環境負荷や倫理的観点の問題を解決する手段として注目されるのが培養肉である。培養肉は骨格筋の幹細胞であるサテライト細胞を増殖培養させた後に分化培養して製造する。現在は骨格筋を細断して酵素処理を行い、フィルター処理によりサテライト細胞を採取しているが、セルデブリ(夾雑物)が多く、かつ収率が低いことが課題である。
発明者らは、骨格筋に対して酵素処理と専用の櫛で筋繊維方向に沿ってすくことの繰り返しによるサテライト細胞の効率的な取得方法を開発した(下図)。従来の方法の1/4の時間で、セルデブリが少なく従来法の1000倍量のサテライト細胞を採取することができ、簡易な操作であるため自動化も可能と考えられる。
<サテライト細胞の採取方法>
Data
- 10gの骨格筋(肉)から、従来法では64個、本発明法では6x104個のサテライト細胞を採取できた。
- 6x104個のサテライト細胞と血管内皮細胞と線維芽細胞のアテロコラーゲンビーズによる2~3ヶ月の接着培養(テストステロン添加)で、600g(原料換算60倍)の筋細胞の塊(ミンチ肉)になった。
Expectations
テックマネッジ株式会社では、筑波大学からの委託により、本発明のライセンス導入による培養肉の事業・研究を進め、製品化・実用化をご検討いただける食品企業を探しています。筑波大学との秘密保持契約の締結による未公開データ等の開示の他、本発明者とのご面談も可能です。また、本発明に関する共同研究のみならず、評価のための櫛の有償提供も可能です。ご希望等ございましたら何なりとお尋ねください。
Patents
出願済み WO2021162022(日本に移行済)
Researchers
石川 博先生 (筑波大学 医学医療系 研究員)
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