小型・高効率な誘導モータ

2024/07/10 09:59 By Tech Manage

集中巻ステータを採用可能にして小型化・低銅損を実現する新構造

Advantages

  • 集中巻ステータにより短尺化・高占積率を実現、銅線量の削減により銅損を削減
  • 波巻ロータの採用により集中巻に伴い発生する高周波の不要成分を抑制
  • 磁石内蔵ハイブリッド誘導モータ(自己始動できる磁石モータ)への応用可能性

Background and Technology

誘導モータは自己始動性、信頼性、経済性に優れているため、ポンプ、送風機、圧縮機など産業用駆動装置として広く使用されている。一方で同期モータと比較して損失が大きく、高効率化が求められている。
誘導モータの構造としては、固定子(ステータ)巻線を分布巻とし、回転子巻線をかご型巻線とすることが一般的である。永久磁石同期モータでは扁平設計や銅損低減が可能な集中巻ステータが増えているが、誘導モータでステータ巻線を集中巻で構成すると,ギャップ中の磁束密度分布に駆動に悪影響を及ぼす高調波成分が大量に含まれてしまい、モータは適切に駆動できない。
本発明では,ロータ巻線を従来のかご型巻線ではなく波巻とすることで(fig.1),ギャップ中の不要な磁束密度分布成分の影響を除去する。試作機により良好に駆動することを実証、シミュレーションにより10%の損失削減効果を証明した。構造最適化により更に高い損失削減が期待される。
本発明によるステータの集中巻線は、近年開発されている誘導モータに永久磁石を埋め込んだハイブリッド型モータにも適用可能である。

Data

  • シミュレーションにより、既存構造と比較して鉄損が微増となるが銅損が大幅に減少し、トータル損失が約10%低下することを確認(Fig.2: CWIM)、構造最適化により更に損失を低減できると考えられる。
  • 試作機を製作し良好な駆動を確認済、効率に関する実証実験を実施中。

Expectations

本発明のライセンスにより高効率誘導モータを開発いただく企業を求めています。
共同研究も歓迎します。

Publications

ICPE2023 - ECCE Asia、電気学会産業応用部門大会(2024年)で発表。

Patents

未公開

Researchers

横井 裕一 准教授 (長崎大学 総合生産科学研究科)

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