潰瘍被覆・穿孔閉鎖・粘膜下注入に好適
潰瘍被覆・穿孔閉鎖・粘膜下注入に好適
Advantages
- 室温下で液体、投与後に体温で急速にゲル化(硬度・硬化時間調整可能)
- ゲルは長時間状態を維持でき、投与後自然吸収される。
- 人工潰瘍の被覆により消化器内視鏡治療後の出血リスクが低減して日帰り手術ができる可能性。
- 液体状態での粘度が低く局注材としてのヒアルロン酸ナトリウム水溶液と取り扱いは同等もしくはそれ以上。
Background and Technology
ESDやEMRに代表される消化器内視鏡治療は低侵襲性の手技として多くの症例に施術されているが、以下の課題がある。
①術中および術後の穿孔や出血などの重篤な偶発症の発症リスクがある。それぞれに対応できないと、緊急手術が必要となることや場合によっては致死的な危険もある。偶発症対策・予防法が行われているが、簡便性・確実性・コストの面でいずれも十分満足されるものはない。例えば、穿孔や術後出血の処置として用いられるクリップによる縫縮は大面積部分の処置は難しい。
②消化器内視鏡治療の際には、粘膜下膨隆形成が求められるが、一般的に用いられる生理食塩水では速やかに吸収されて膨隆の高さが施術時間維持できない場合がある。近年、ヒアルロン酸水溶液が開発されたが、硬いため投与に難渋する場合があり、また高価である。
開発した温度応答性ゲルは医療用コラーゲンを主原料としており、室温(25℃)では低粘度のゾル状態で、ヒトの体温(35~37℃)で速やかにゲル化する。これにより、細いシリンジでも容易な投与でき、患部への長時間滞留を可能とする。また、ゲル化までのスピードやその硬さは任意に設定できる。
Development Status
- 動物実験により効果検証済(以下、査読論文参照)
- 協力企業とコラーゲン無菌充填を開発中
Expectations
進行中のAMEDプロジェクトに製販企業候補として参画いただける企業を探しています。
Publications
- Med Devices 2016 Dec 15;9:429-439. doi: 10.2147/MDER.S116633
- Endosc Int Open. 2019 Apr;7(4):E561-E567. doi: 10.1055/a-0867-9450
- Dig Endosc. 2021 May;33(4):616-620. doi: 10.1111/den.13810
- Materials.2021 Nov 2;14(21):6600. doi: 10.3390/ma14216600
- Dig Endosc.2022 Jan;34(1):105-112 DOI: 10.1111/den.13962
Patents
- WO2018092836A1生体組織孔閉鎖用、潰瘍保護用及び血管塞栓療術用ゾル(JP‣EP‣KRで成立済)
- WO2018092837A1粘膜下局注用コラーゲンゾル(JP、US、KRで成立済)
Researcher
群馬大学消化器・肝臓内科学 浦岡俊夫教授
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