【共同研究のご提案】
疾患関連細胞解明のため、細胞の性質を決定するマスター転写因子を同定・標的とすることで新たな治療法の開発につながる
Advantages
- 様々な細胞のマスター転写因子を同定・解析することが可能。
- 生体由来の希少細胞でも対応が可能。
Background and Technology
細胞の機能や分化に応じたタンパク質の遺伝子発現は、転写因子により制御されており、その細胞の機能や分化に必須の転写因子はマスター転写因子と呼ばれている。細胞の性質を決定する重要な因子であり、発現や機能の解析には必須と考えられている。
本研究者は、免疫細胞の分化や機能の発現に関わる研究を行っており、その中で様々な細胞においてマスター転写因子を予測同定するプラットフォーム技術を開発した。具体的には、エンハンサー領域のDNAを選択的に抽出し、次世代シーケンサーによって配列を決定し、転写因子結合配列を同定・解析することができる。さらに、その細胞で発現が亢進・活性化する転写因子との照合を行い、マスター転写因子候補を選択した後、実験によりマスター転写因子を同定できる。
本技術は生体内の希少な細胞であっても対応可能であり、本技術を用い疾患関連細胞のマスター転写因子を同定することが可能であるため、解析結果を基に実際に発現や機能を制御することで難治性の疾患の新たな治療法開発へとつなげることが期待される。
Data
- 【解析例1】 網羅的な遺伝子発現データとエンハンサー解析から、単球分化に必要なマスター転写因子としてKLF4を同定した。
- 【解析例2】 ヒト膵がん患者と膵がんマウスモデルからそれぞれ単離した免疫細胞のNGS解析を行い、ヒトとマウスのデータを用いたバイオインフォマティクス解析により、共通するマスター転写因子候補を予測した。そして実際にマスター転写因子候補のノックアウトマウスを作製し、このマウスにがんを植えると膵がんの進展が有意に抑制された。
- 【解析例3】 マクロファージの活性化に重要なマスター転写因子であるIRF5を標的にしてsiRNAを脂質ナノ粒子に装填・投与し、マウスにおいてIRF5をノックダウンさせたところ、炎症性疾患が抑制された。
Suggestion for Next Steps
- 貴社の探索されたい細胞のマスター転写因子を共同で同定・解析できます。
- RNA-seq、ATAC-seq、CUT&Tag、ChIP-seq、Hi-C等、様々な次世代シークエンス解析を取り扱っておりますので、次世代シークエンス解析でお困りの方もぜひご相談ください。
Expectations
テックマネッジ株式会社では、熊本大学からの委託により、本技術を用いたマスター転写因子を探索する共同研究を希望される企業様を探しています。研究者との直接のご面談によるお打合せも可能ですので、ご希望がございましたら何なりとご相談ください。
Publications
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Researchers
黒滝 大翼 特任准教授 (熊本大学 国際先端医学研究機構 免疫ゲノム構造学)
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