新たな高血圧誘導メカニズムの解明と、創薬共同研究に関するご提案
Advantages
- 高血圧症の治療標的となりうる腎臓内のマクロファージを同定
- そのマクロファージ特異的に、ある分子を欠損させることで高血圧の誘導が抑制されることを発見
- 既存の降圧剤とは異なるメカニズムに基づく、全く新しい創薬研究となる可能性
Background and Technology
高血圧患者は日本では4,300万人、世界においては少なくとも13億人程度に達する。高血圧の多くは原因不明の本態性高血圧であり、日本では塩分摂取が高血圧発症に与える影響も大きいが、それとは異なる機構で免疫細胞の関与も報告され、その解明も進んでいる。
本発明者は、腎臓病を中心とした疾患の発症メカニズムの解明を行っており、その中で腎臓内のマクロファージが高血圧の発症に関与していることを新たに見出した。具体的には、薬剤投与により高血圧を誘導したマウスにおいて、腎臓内でのマクロファージ増加を確認し、またそれらのマクロファージの除去により、⾼⾎圧が誘導されなくなることを明らかにした(詳細は下記論文を参照)。
この発見は既存の降圧剤とは全く異なるメカニズムの新しい創薬につながることが期待される。
Current Stages
- 本研究者らは、マクロファージ特異的に、ある分子をノックアウトしたマウスの場合には、上記と同様の薬剤投与手法による高血圧誘導マウスが得られない(高血圧誘導が抑制される)ことを確認しており、当該分子が新たな創薬標的となる可能性が高い。 《*未発表データ》
Suggestion for Next Steps
本研究で解明された腎臓内のマクロファージ、またはマクロファージ特異的なある分子が、高血圧症の新たな治療標的になりうると本研究者は考えており、下記の研究開発を共同で進めていただけるか、研究資金をサポートしていただける製薬企業を探索中です。
- 高血圧誘導マクロファージにおけるマスターレギュレーターの同定。
- 高血圧誘導マクロファージによる血圧制御分子メカニズムの解明。
Expectations
テックマネッジ株式会社では、長崎大学からの委託により、本研究成果に基づく共同研究等をご検討いただける製薬企業を探しています。研究者との直接のご面談によるお打合せも可能ですので、ご希望がございましたら何なりとご相談ください。
Publications
Publications
Peter JK, Inoue T. et al. Biochem. Biophys. Res. Commun. (2024) 715:149997.
Researchers
井上 剛 教授 (長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科)
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