1粒子ゼータサイザー

2021/11/22 11:09 By Tech Manage

複数のナノポアを直列に連結させたセンサを用いた1粒子・分子の粒径測定

Advantages

  • 複数のナノポアを直列に連結させたセンサを用いた1粒子・分子の粒径測定
  • 高精度:測定対象粒子が「エントリー効果」や「オフ軸効果」の影響を受けにくい

Background and Technology

複数のナノポアを直列に連結させた1粒子・分子の粒径測定装置の発明(抵抗パルス測定法の一種)。 1回の測定のみで、その単一粒子の表面電荷/ゼータ電位と粒径の算出が可能な技術。

(左)本発明の直列ナノポア構造の採用により、エントリー効果やオフ軸効果の影響を受けにくくなる。
(右)直列配置したナノポア間を粒子が通過する際のイオン電流波形;粒子の通過時間計測が可能。


 本発明者の研究グループでは、単一粒子の構造解析に向けた極薄固体ナノポアを用いたセンサ技術の研究を行っている。
これは、ナノサイズの流路や細孔を通過する粒子が細孔内のイオン輸送を阻害する現象をイオン電流の変化として検出する技術であり、それにより様々なサイズの粒子等の大きさやゼータ電位を測定することができる。
単一の粒子等の抵抗パルス信号波形から、測定対象のゼータ電位を測定し粒径が求められるが、従来、ナノポアに対する粒子等の進入時の影響(エントリー効果)や、ナノポアの中心軸を逸れて通過する場合の影響(オフ軸効果)により測定波形が歪み、必ずしも正確な信号波形を測定できないこともあったが、本発明の「縦列ポア」構造による単一粒子ゼータサイザーによりその問題が解決され、粒子ごとに正しいゼータ電位を算出できるようになった。

Data

  • 上図のように流路に8個の狭窄部を縦列に設け、1回の測定で1粒子につき8個の抵抗パルス信号波形を取得した。 このとき、後段流路の狭窄部で取得した信号波形ほど、オフ軸効果が軽減され本来の信号波形を成すことを確認した。
  • 高精度:測定対象粒子が「エントリー効果」や「オフ軸効果」の影響を受けにくい

Expectations

 テックマネッジ株式会社では、大阪大学からの委託により、本発明のライセンス導入による製品化・実用化をご検討いただける企業様を探しています。

本発明に関し、発明者との面談も可能です。ご希望等ございましたら何なりとお尋ねください。

また、大阪大学との秘密保持契約締結による未公開データ等の開示、本発明者らとの共同研究のほか、本発明のライセンスに先立ち一定期間における評価(独占評価も可)や優先交渉権等のオプション設定についてご検討いただくことも可能です。

Publications

Kishimoto S., Tsutsui M., et al. "Inertial focusing and zeta potential measurements of single-nanoparticles using octet-nanochannels" Lab Chip, 2021, 21, 3076. 

Patents

国内出願済(未公開)

Researchers

筒井 真楠 先生(大阪大学, 産業科学研究所, 准教授)

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