翼なしミキサー

2021/07/07 17:01 By Tech Manage

内部に攪拌パーツを一切必要としない、液体の攪拌装置

Advantages

  • 容器内部に攪拌のための回転翼やバッフルなどを必要としない
  • 容器の一軸定常回転だけで複雑流れを駆動
  • 製作コストとランニングコスト(洗浄コスト、消費電力など)の軽減
  • 攪拌物のコンタミネーションの防止
  • 攪拌物にかかるせん断を思いのままに制御可能

Background and Technology

なめらかな容器に液状流体を部分的に充填し、適切な条件下で容器を回転させることで、内部の流体中に「ねじれ流」を発生させ、液状流体を攪拌する機構。


本研究者らは、室内実験とスパコンを用いた大規模数値シミュレーションにより、液状流体を部分的に充填した容器を定常回転させるだけで、気相/液相/容器壁の三相境界面付近を起点として、回転方向と垂直な軸をもつ非自明な大規模な循環流れ(ねじれ流と命名した)とそれに伴う乱流が生成されることを発見した。

Data

  • 内部観察が可能な透明素材の球状容器に対し、その容積のおよそ半分の量の液体を満たし、一定方向に容器を回転させた際に上記の「ねじれ流」の発生を確認した。この現象は数値流体シミュレーションによっても再現されることも確認した(図1参照)
  • 数値シミュレーションによると、液体を容器の半分充填している場合には10回転程度で内部の流体が均一に混合されることを確認した(図2参照)。
  • 容器形状依存性や、パラメタ依存性については検証中。
  • 液状流体に限定される現象であることを確認済(粉体では本発明とは全く異なる現象が起きる)。

図1.容器内部に「ねじれ流」(図中に矢印で表示)が自発的に発生し、初期に分離していた液体は迅速に混合される。


参考動画


図2.容器内の液体の分離度の時間発展。横軸は容器の回転回数。異なる線は異なる充填率。およそ10回転程度で完全な混合が実現される。

Expectations

 テックマネッジ株式会社では、大阪大学からの委託により、本発明のライセンス導入による製品化・実用化をご検討いただける企業様を探しています。
 本発明に関し、発明者との面談も可能です。ご希望等ございましたら何なりとお尋ねください。また、大阪大学との秘密保持契約締結による未公開データ等の開示の他、本発明者らとの共同研究や、一定期間における独占的または非独占的な評価のほか、実施許諾の優先交渉権等のオプション設定についてご検討いただくことも可能です。

Publications

論文等:未発表

Patents

国内出願済(未公開)

Researchers

後藤 晋 先生(大阪大学, 基礎工学研究科, 教授)

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