加齢や疾患による感度低下を補完
Advantages
- 爪上に微振動を与えるだけで、手指の触覚感度が向上し、日常動作や作業精度を改善
- 神経波及により、少ない刺激箇所で複数の指の感覚改善が可能
- 圧電素子を用いた超小型装置により、軽量・省電力・装着の違和感が少なく実用性が高い
Background and Technology
加齢や神経疾患により、手指の触覚感度が低下すると、ボタンを留める、小銭を扱うなどの日常動作が困難になり、生活の質(QOL)が低下する。
本技術は、微弱な振動ノイズを爪の上から与えることで、通常は感知されない刺激を知覚させる「確率共鳴現象」を活用。加えて、神経間の波及効果により、少ない刺激で複数の指の感覚を同時に高めることが可能になる。
爪上に装着する超小型の振動装置は、違和感なく日常生活に組み込むことができ、高齢者や感覚低下に悩む方の生活支援に役立つ。

Data
- 触覚感度向上:紙やすりの粗さ弁別テストでは、触覚感度が最大で28%向上(p=0.006)
- 巧緻性向上:Grooved Pegboard Test(*1)を用いた巧緻性評価実験では、タスク完了時間の平均値は振動刺激により3%短縮(p=0.0016)
(*1)ランダムに配置されたスロットを持つ25個の穴で構成される操作器用さのテスト

Expectations
本技術はまず、高齢者や感覚低下者向けに、日常生活で違和感なく使える爪装着型デバイスとして実用化を目指しています。医療・福祉・教育・ヘルスケア関連企業の皆様との共同研究を通じて、機能性や装着感の検証を進めていきたいと考えております。
※将来的には、常時装着できるウェアラブル型デバイスとして、リハビリ支援・介護補助・発達支援など、より幅広い市場での展開を構想しています。
Patents
特開2024-040700
Researchers
橋本 悠希(筑波大学 システム情報系 知能機能工学域,准教授)
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