広視野・広視域なホログラフィックディスプレイ

2024/02/19 14:52 - By Tech Manage

簡易な光学系で視野と視域を拡大することが可能

Advantages

  • 物体面と視界の間にレンズアレイを置くだけの簡易な方法で広視野・広視域を実現
  • レンズアレイの配置ずれが再生像の位置ずれとして現れるので位置合わせがしやすい

Background and Technology

電子ホログラフィの実用化に向けて、視野(画像の大きさ)と視域(画像が見える範囲)の拡大が課題となっています。これに対する一般的な手法には、時分割多重法(異なる方向に分割して再生する方法)、空間多重法(複数のSLMを組み合わせる方法)、拡散素子法(ランダムに光を拡散する素子を使用する方法)などがありますが、これらの手法はシステムが大規模になる、調整が難しいといった欠点があります。

そこで物体面と眼の間に回折角の大きいレンズアレイを配置するというシンプルな手法を用い、視野・視域の拡大が可能であることをシミュレーションで実証しました。この手法には画質の低下があるものの、理論的に低下の推定が可能であり、それに対する対策も可能です。今後は企業と共同し、実際の光学系での有効性を確認しながら、画質低下の最小化を目指していきたいと考えています。

Data

Expectations

実際の光学系で今回のシミュレーションの有効性を一緒に検証していただける企業との共同研究を希望しております。精密なアライメントが出来る技術を持つ企業や拡散素子・光学素子を作れる企業であればなお嬉しいです。
また当研究室では、ホログラムの高速演算、イメージング、撮影手法など、ホログラムに関する多くの技術研究を行っておりますので、本技術に限定せず多くの接点が持てることも期待しております。

Patents

特許出願中

Researchers

下馬場 朋禄  教授 (千葉大学大学院工学研究科 人工システム科学専攻)

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