Advantages
- 術者と術野の間に多視点カメラを配置して適切に観察視点を切り替えることにより、術野の遮蔽を防ぎながら撮影できる手術撮影システム
- 360度多視点カメラが配置・撮影されているため、術野が見えなくなることがない
- 本技術を用いて手術撮影システムを製品化・実用化していただける手術室の設備開発メーカーを募集
Background and Technology
直視手術中の動画撮影は手術の振り返りや記録といった目的だけでなく、若手外科医の学習用の教材としての利用など、医療現場でのニーズが高い。直視手術における動画撮影は、術者の頭上に設置した1台のビデオカメラで行われることが多いが、この場合、術者の覗き込み動作により頭や肩などの身体で遮られることが多く、有効な映像が撮影できない場面が多々あった。
筑波大学計算科学研究センターの北原教授らは複数台のカメラを円周上に配置して撮影する多視点撮影システムを用いることで遮蔽問題を解決できる手法を開発した。複数台の可視光(RGB)カメラを円筒状に切り出された金属の板(リグ)に斜め下向きで固定し、術者の手元を取り囲むように配置し,多視点映像を撮影する(下図(A,B))。術者の頭部や体の一部による遮蔽によって観察画像で手術器具などの被写体が観測困難になった場合,観測可能な他のカメラに自動で切り替えることにより,常に遮蔽のない視点から映像を撮影することができる。また、本撮影手法はカメラの位置が低く術野に対して浅い俯角で撮影するため、腹部の奥にある期間も撮影可能であり、手技のより自由な観察を実現できる(下図(C))。
Expectations
本技術を用いた手術撮影システムの開発をご検討いただける手術器具・装置を取り扱われている企業様を探しています。本発明/プロジェクトに関し、研究者との直接のご面談によるお打合せや、筑波大学に来ていただき実際のモデルをご覧いただくことも可能です。
Publications
高月 崚太郎、北原 格 他、信学技報, vol. 123, no. 37, MI2023-3, pp. 4-9, 2023年5月
Patents
PCT/JP2021/012162
Researchers
北原 格 教授 (筑波大学 計算科学研究センター)
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