Summary
- 観客の反応、演目の表現方法に関する要素を特徴量として過去のM1グランプリの漫才・結果を機械学習させたお笑いの面白さを定量的に評価・判定する装置。
- 演者の口演の質向上やAI審査員などへの利用が期待される。
- 定量化することが難しかった「笑い」の要素を定量化してAIにより評価する新しい技術。
Background and Technology
漫才やコントなどの演目では、聴衆を笑わせることを目的とするやり取りが演者による口演として披露される。口演において笑いを生じさせるネタ要素の形態や内容は様々であり、台詞によるものだけでなく、身振りや動作によるものも含まれ、口演の面白さを定量的に評価することは非常に難しい。
本発明者は、観客の反応や演目の表現方法に着目して検討した結果、それらを定量化し、機械学習させたお笑いの面白さを評価・判定するモデル装置を開発した。具体的には、観客の反応や演目の表現方法を特徴量として定量化し、M1グランプリ内での評点付きの演目の動画を学習モデルとし、各年のM1グランプリで審査員(7または8人)がつけた点数を教師データとして機械学習させた。その結果、M1グランプリの決勝戦(9組)の順位を予測することに成功するなど、M1グランプリの結果を高い精度で予測できた。M1グランプリの審査員は年によって異なっていたが、予想精度が落ちることはなく、汎用的な口演の質の評価が可能である。
Data
本技術を用いて2015年から2023年までのM1グランプリの口演を評価したところ、高い精度で結果を予想できた。2018年は決勝戦の9組の順位を予測することに成功した。
Expectations
筑波大学では、本発明を元に「お笑い演者の口演の質を上げる」、「テレビ番組等でAI審査員などをコンテンツにする」などへの活用・利用を考えています。本発明にご興味のあるテレビ・演劇・エンターテインメント関連の企業を募集しています。
本発明に関し、研究者との直接のご面談によるお打合せや、本モデルを一定期間有償評価による貸し出しをしていただくことも可能ですので、ご希望がございましたらご相談ください。
Patents
- 特許第6783454号
- 特許出願中(未公開)
Researchers
真榮城 哲也 教授 (筑波大学 図書館情報メディア系) ほか
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