Advantages
- 試料を薄膜化する工夫と、ピエゾを用いた振動機構により、従来にない高速のせん断速度(105~107[1/sec])を試料に印加できる装置。
- 窓がついているため、外部からX線、赤外線、顕微鏡などで変形の様子を観察することが可能。
- 低粘度液体から高粘度ゲル、さらには固体であるゴムなど幅広い試料のレオロジー特性計測に応用可能。
- 粘度計・レオメーターなどレオロジー計測装置の開発企業様へ本技術導入のご提案
Background and Technology

食品、化学、製薬、石油化学産業など幅広い産業において、品質管理やプロセス管理の中で粘度などレオロジー特性を計測する必要があり、二重円筒型レオメーターやキャピラリー粘度計などを用いて測定されている。しかし、従来の方法では、レオメーターにおけるモータートルクの限界や、キャピラリー粘度計における高粘度サンプル詰まりの問題から、印加できるせん断速度とサンプルの粘度には一定の限界があった。
そこで、筑波大学の赤田助教らは、多様なサンプルに対して高速・高衝撃せん断を可能にするせん断装置(右図)を開発した。このせん断装置は、ピエゾアクチュエーターに接続された基板の間にサンプルを挟持して、ピエゾを使って基板の一方を他方に対して高速で振動させる。一般的なレオメーターのせん断速度<103 [1/sec]に対して、サンプルを非常に薄くすることで(100 nm~1μm)、105~107 [1/sec]の高速せん断速度を印加可能である。そして、中心に窓を設けてあるため、外側から薄膜サンプルを観察することができる。
本技術は薄膜化したサンプルに強制的に剪断力を加える能力を持つ。そのため、測定対象は液体、高粘性素材、ゴムなどの固体材料にも広がる。また、光学測定を始めとした様々な観察手段を採用できるため、様々なレオロジー特性の測定への応用が期待される。
この技術の応用先の一つに「コーティング技術」がある。コーティングは、印刷やプラスチック製品・金属製品の修飾だけでなく、光学フィルムや電池などの電極素材の塗布、半導体技術といった最先端技術に使われている。非常に薄い膜の形成を要求される最先端のコーティング技術において、ノズルやコーティング面と、塗布する素材の間には、非常に強いせん断力が働いているが、それは本技術でなければ再現や観察が難しい。そうした最先端コーティング技術の開発において本技術は大きなメリットを持つ。

Expectations
本技術の導入による製品化・実用化をご検討いただける粘度計・レオメーター等レオロジー特性の測定装置メーカーの企業様を探しています。以下のような段階を踏んで情報や知見を提供でき、貴社での本技術の導入の検討・事業化の支援をご相談できます。開発者とのご面談も可能です。ご希望等ございましたらお気軽に弊社へお尋ねください。
・技術の原理や特性をご理解いただくための情報交換
・先生とのご面談による詳細説明
・NDA締結下での情報交換
・共同研究などを通した、技術開発
・事業化に向けた、特許ライセンス
Patents
特許出願済み(未公開)
Researchers
赤田 圭史 助教 (筑波大学 数理物質系)
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