ARVC(不整脈源性右心室心筋症)の遺伝子治療またはmRNA医薬開発

2021/01/12 00:06 By Tech Manage

ARVC患者由来のPKP2変異疾患モデル細胞とそのリカバリー細胞を用いて
ARVC治療法(遺伝子治療またはmRNA医薬等)を開発する協働の提案

Advantages

  • ARVC 病態を示す患者iPS由来PKP2変異心筋細胞にPKP2遺伝子導入することにより病態が改善し、遺伝子治療およびmRNA医薬の可能性を示した
  • 患者由来PKP2変異心筋細胞とそのPKP2変異をリカバリーしたアイソジェニック心筋細胞およびその拍動心筋組織を用いて患者病態を再現するin vitroアッセイが可能
  • ARVCに関わる他の遺伝子についても同様の細胞モデルやデータあり

Background and Technology

 不整脈源性右室心筋症(ARVC)は、右室心筋の菲薄化、拡大を呈し、心室頻拍や心室細動といった致死性不整脈を来す希少難病である。原因として主に介在板遺伝子異常が知られており、なかでもプラコフィリン2(PKP2)はARVCの原因として最も多く同定される変異遺伝子である。Pkp2をノックアウトしたマウスでは胎生期において心筋構造異常、心室壁破裂を来し、Pkp2が心臓形成において重要な因子であることが示されている。

 PKP2変異をもつARVC患者由来疾患iPS細胞(iPSC) から分化させた心筋細胞(iPSC-CM)では、健常者由来のiPSC-CMに比べて、介在板関連タンパク質の減少、異常な脂肪滴沈着、活動電位立ち上がり時間の延長、PPARγの発現上昇等を来すことが報告されている。しかしながら、これまでの報告はすべて遺伝的背景の異なる健常者由来のiPSC-CMを比較対象としたものであり、同一の遺伝背景においてPKP2遺伝子変異のみを改変した、PKP2遺伝子異常による病態を正確に評価できるヒト疾患モデル細胞セットは存在しない。また、単一心筋ではなく拍動心筋組織を模した病態モデルは現時点で報告はない。

 本研究では、遺伝的背景を同一としPKP2遺伝子のみ変異・改変したアイソジェニックiPS細胞及びそれを分化させた心筋細胞を樹立し、それらは、ヒトARVC病態を再現した。PKP2遺伝子を補充することで病態が改善されたことから本モデル細胞は遺伝子補充・mRNA医薬の治療概念を実証した。またこれのアイソジェニック細胞はARVCの遺伝子治療・mRNA医薬開発のモデルとして有用である。

Data

アデノ随伴ウイルスを用いたNHEJ iPS分化心筋に対するPKP2遺伝子導入は網目状心筋構造への進展・収縮能低下を抑制する実験データ

Expectations

 大阪大学が所有する、ARVC患者由来iPS細胞およびアイソジェニック細胞を用いた、ARVCの遺伝子治療やmRNA創薬の共同研究を提案する

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