Advantages
- 接合ツールを使って適切な圧力印加により接合面の摩擦熱が結晶状態の変態が生じないA1点以下で接合が可能な低温摩擦攪拌接合技術。
- 熱影響を抑制することで強度の劣化がおこらず、母材と同じ強度を維持できる。
- 接合装置メーカーや接合装置を使用する自動車、鉄道、インフラ関係の企業様へ本技術導入をご提案。
Background and Technology
摩擦攪拌接合(FSW)は付き合わせた板状の被接合材に対して円柱状の接合ツールを回転しながら押し当てることで発生する摩擦熱で被接合材料を軟化させ、その部分を攪拌することで接合する技術である。従来の溶融溶接比べて接合部の強度劣化を抑えられるため、広く利用されているが、その接合部の強度劣化を完全に防ぐことはできない。
これに対し、大阪大学の藤井教授は接合部の強度劣化をゼロにする方法を開発した。この方法では回転数を低くしつつ十分な圧力を印加することで、接合面の温度が結晶変態点(A1点)以下の低い温度で素材を固相状態のまま接合できる。これにより、接合部分の劣化が全く起こらず、熱影響部が生じない接合が可能となり、引張強度が母材と同等以上である接合物を中高炭素鋼で実現している。
Data
- S45C厚さ1mmの板2枚の重ね合わせ接合において、WC-Ni超硬合金のツールを用いて従来の条件(ツール回転数:200-1200rpm、ツール圧力:4.5ton)と低入熱の条件(Low Rotation型、ツール回転数:30,50rpm、ツール圧力:12,15ton)で行い、その後引張試験をしたところ、従来条件では接合部破断だったが、低入熱条件では母材破断であった。
Expectations
- 本技術を導入した接合装置を開発されたい企業様がいらっしゃいましたら、大阪大学と協働での装置開発をご提案します。実用化するための技術指導も可能です。
- 本技術を利用した接合装置を必要とされる企業様がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけください。貴社の使用する金属について接合可能か大阪大学と共同で研究開発する体制をご提案いたします。
本発明/プロジェクトに関し、研究者との直接のご面談によるお打合せも可能ですので、ご希望がございましたらお気軽にご相談ください。
Patents
特許6579596
Researchers
藤井 英俊 教授 (大阪大学 接合科学研究所 接合機構研究部門)
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