播種性腫瘍細胞(がん転移開始細胞)の生存および再活性化を制御する標的分子とその抑制剤
Advantages
- がん転移に関する新たな標的分子・パスウェイを同定
- オリゴ転移がん局所療法後の無再発生存期間を延長
- コンパニオン診断による個別化治療
Current Stage and Key Data

分子・メカニズムの研究段階(ディスカバリー段階)
- 標的分子をshRNAでノックダウンしたがん細胞株を投与した骨転移モデルマウスで骨転移が抑制(右図)。
- 標的分子の下流の因子の阻害剤の投与により骨転移が抑制。
- 転移開始細胞において発現が亢進・低減するマーカー分子群を同定。
Background
骨の転移性腫瘍の発生において、がん転移開始細胞(Metastasis initiating cells: MICs)は休眠状態となり骨組織に潜在し、再活性化されて転移巣を形成し、転移再発の根源となる。そのため MICs を標的に治療戦略を立てることが転移性再発の防止に最も効果的であると考えられている。ただし、MICsの生存・再活性化の規定因子は同定されていなかった。
私たちは、高い再現性のある転移性潜伏期から再活性化を有する骨転移マウスモデルを確立し、ヒト臨床サンプルを併用した in vivo データベースの解析により、標的分子を同定した。標的分子またはその経路を阻害する物質を用いて転移を抑制すること確認した。

Expectations
本標的分子の抑制剤(核酸、低分子化合物など)のスクリーニング・最適化の共同研究
- 治療適応例:乳がんオリゴ転移がんの局所療法後の無再発生存期間の延長
- パートナー候補例:バイオテック/製薬企業、創薬ディスカバリー企業
Patents
- 特許:特許出願済(未公開)
Publication
- 論文:未発表
※CDA下で追加情報を開示可能
Researchers
田中伸哉 教授(北海道大学 大学院医学研究院 腫瘍病理学教室)
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