タキサン系抗がん剤の微小管重合促進作用を増強する化合物
Advantages
- 抗がん作用増強剤として有望な低分子化合物
- 低い細胞毒性
- タキサン系抗がん剤の効果を相乗的に高め、投与量を低減することが可能
Current Stage and Key Data
- ディスカバリー、最適化研究段階
- 本発明の化合物が、タキサン系抗がん剤の微小管重合促進作用を増強することを蛍光法と電子顕微鏡観察から解明。
- 本発明の化合物は細胞毒性を示さず、併用によりパクリタキセルのがん細胞増殖抑制活性を相乗的に高めることを発見(IC50値が1/6に低下)。

Background and Technology
抗がん剤として有名なパクリタキセル(Taxol(登録商標))を含むタキサン系化合物は、重合した微小管の内部に結合して安定化させることで脱重合を阻害し、有糸分裂と細胞分裂を抑制する。
タキサン系化合物の治療効果が高い一方で、末梢神経障害、骨髄抑制、消化器症状(吐き気・嘔吐・下痢)、脱毛などの副作用が問題となる。また手足のしびれや痛みなどの神経障害が引き起こされ、患者の生活の質(QOL)が著しく低下するとともに、正常な血液細胞の生成も抑制されるため、免疫力の低下や貧血などを招き、感染症のリスクも高まるという課題がある。
タキサン系抗がん剤の副作用を低減する併用剤(プリナブリン)の臨床開発が進んでいるが、抗がん剤自体の投与量を減らす併用剤の開発も重要である。
Expectations
- 作用増強剤化合物の共同研究開発パートナーを募集中。
- 提携候補例:タキサン系抗がん剤の製造販売・開発企業、抗がん剤のデリバリー開発企業。
Patents
- 特許出願中(未公開)
Publication
- 論文投稿中
Researchers
北 将樹 教授(東海国立大学機構 名古屋大学大学院生命農学研究科)
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