従来の腫瘍マーカーDUPAN-2・CA19-9に加えて、FUT2/3遺伝子タイプを組み合わせた指標(TMGM)により、
膵癌切除手術可否を判断する方法
Advantages

- 腫瘍マーカーの個人差を補正
- 高い予後予測能力
- 1回の遺伝子型検査で判定
- 適応範囲の拡大可能性
Background and Technology
膵癌治療ガイドラインでは、切除不能症例(UR)・切除困難症例(BR)・切除可能症例(R)に応じて薬物療法等を行い、腫瘍マーカーDUPAN-2やCA19-9の変化により切除のタイミングを判断する。しかし、腫瘍マーカー値は個人差によるバラツキが大きいことが課題であった。
FUT2/3はDUPAN-2やCA19-9等ルイス糖鎖の代謝に関わる酵素である。これまでFUT2/3の失活変異(存在率10-20%程度)が各マーカー値に影響し早期診断マーカーとしての閾値に影響することを示唆する先行報告があった。私たちは、腫瘍マーカーDUPAN-2・CA19-9値、FUT2/3の遺伝子タイプ、切除可能性分類、切除後の予後の関係を精査し、それらを組み合わせて、膵癌切除手術タイミングを判定する指標として腫瘍マーカー遺伝子モデル(TMGM)を開発した。
Current Stage and Key Data

臨床検体を用いた研究段階
- 診断時切除不能(UR)患者の薬物療法後のコンバージョン手術において、TMGMが高い予後予測能力を示した。
Expectations
ライセンスパートナーまたは共同研究パートナーを募集中
- パートナー候補例:診断薬企業、SNP診断キット装置企業、遺伝子診断企業、検査センター
Publication
- 論文:Tanaka et al., Br J Surg. (2025) 112(4):znaf049.
- 特許:特許出願済(未公開) ※CDA下で追加情報を開示可能
Researchers
田中晴祥 助教(東海国立大学機構 名古屋大学医学部附属病院 消化器・腫瘍外科)
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