ウイルスの感染動態を高感度にin vivoイメージング

2024/06/04 17:52 By Tech Manage

ウイルスゲノムに応じたコドン最適化Akalucルシフェラーゼ遺伝子を搭載した高発現Akaluc組換えウイルスを用いた生体における感染動態イメージング方法

Advantages

  • ウイルスの感染動態を高感度in vivo イメージングできる。
  • ウイルスゲノムに応じて最適な高発現Akalucルシフェラーゼ遺伝子を設計できる。

Background and Technology

ウイルスの生体での感染動態の経時的解析は、ウイルスの病態、組織指向性または抗ウイルス薬の効能等の解明に役立つ技術の1つである。ウイルス遺伝子に蛍光タンパク質(レポーター)遺伝子を組換えたレポーターウイルスを人工的に作出し、モデル動物に感染させることで生体内での動態を解析(in vivo イメージング)することが可能である。
蛍光タンパク質NanoLuc や一般的なルシフェラーゼは発光波長が短いため、体内の深部の光を検出することができず、ウイルスの感染動態in vivoイメージングには使えない。Akaluc ルシフェラーゼは発光波長が 670-680 nm であるため、in vivoイメージングに使用可能である。

私たちは、 SARS-CoV-2 ウイルスゲノムにAkaluc 遺伝子を組換えたレポーターウイルスを作出した。しかし、十分なウイルス増殖能が得られなかったため、ウイルスゲノムのGC含量と組換えAkaluc遺伝子のGC含量を一致させるようコドンを最適化させた。その結果、増殖能の高いレポーターウイルスを作出することができ、SARS-CoV-2の感染動態のin vivo イメージングに成功した。

Expectations

  • SARS-CoV-2変異株を用いてAkalucレポーターウイルスを作製し、ハムスターに感染させてそのin vivo イメージングに成功した。さらにマウスモデルを用いて、mRNAワクチンによる感染抑制効果をin vivo イメージングで解析することに成功した。
  • 他のウイルスについてもコドン最適化Akalucレポーターウイルスを作製し、in vivo イメージングによる研究を継続する見込みである。
  • 本レポーターウイルスおよびin vivoイメージング技術を活用する共同研究を希望する抗ウイルス薬・ワクチン開発企業を募集中である。

Publications

Patents

  • 特許出願中(未公開)

Researchers

福原崇介 教授(北海道大学大学院医学研究院)


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