概日時計制御因子CRY1およびCRY2について、それぞれ特異的に分解抑制・活性化する2種類の創薬シード低分子化合物(CRY1-A、CRY2-A)。
Advantages
- 生体での薬効および経口吸収・代謝安定性・血液脳関門透過を確認済。
- 誘導体展開および最適化開発可能。
Current Stage and Key Data
- 化合物の最適化および前臨床研究段階
- CRY2-Aの野生型マウス経口投与(50 mg/kg、1日1回×2週間)により睡眠覚醒概日リズムの可逆的制御を確認(左図、ZT:時刻)
- CRY1-Aの糖尿病モデルマウス経口投与(100 mg/kg、1日1回×1週間)により耐糖能の改善を確認(右図)
Expectations
- CRY1-A、CRY2-Aの独占ライセンスパートナーを募集中。
- CDA/MTA/オプション契約/共同研究契約を通してフィージビリティスタディ可能。
Background and Technology
時計タンパク質CRYは概日時計の発振において中心的な役割を果たし、ヒトの睡眠リズム障害の原因遺伝子である。さらに、Cry遺伝子のノックアウトマウスは糖代謝の異常を示す。そのため、CRYは睡眠リズム障害や糖代謝疾患の創薬ターゲットになると期待される。
私たちは以前、CRYに作用する合成化合物カルバゾール誘導体KL001を見出した。KL001はCRY1とCRY2の両者に作用し、ユビキチンリガーゼFBXL3を介したCRYの分解を抑制してCRYの機能を活性化し、概日リズムの周期を細胞や組織レベルで延長させた。さらに、初代培養したマウス肝細胞においてグルカゴン刺激による糖新生の活性化を阻害した(論文1)。
その後も、CRY1とCRY2のそれぞれを選択的に活性化する化合物の探索を継続し(論文2)、今回、経口投与から脳内に到達して哺乳類の行動リズムを調節できるCRYアイソフォーム選択的な創薬シード化合物CRY1-AとCRY2-Aを開発した。
Publications
- 論文1:Hirota, T. et al. Science 337, 1094-1097 (2012).
- 論文2:Miller, S. et al. Nature Chemical Biology 16, 676-685 (2020)
Patents
- 特許出願済(未公開)
Researchers
廣田 毅 特任准教授(東海国立大学機構 名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所)
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