シンプルかつ高精度な振動特性測定システム

2024/05/22 12:49 By Tech Manage

インパクトハンマではなく、直径数mmの発射ソフト弾で打撃することにより、理想に近い加振力を加えることを特徴とする振動特性測定システム

Advantages

  • 被測定物によって弾の寸法・タイプを変える必要がほとんどない
  • 加振力波形の時間幅が短く、力センサやその周波数解析が不要(予め測定した力積を利用可)
  • 手動より高速な打撃が可能なため加振力ピーク値が高く、小さい弾でも大きな力積を加えられる
  • 二度打ちを生じないため測定精度が悪化しない
  • 回転体の振動特性を測定可能

Background and Technology

一般に工作機械等の機械構造は振動しにくい方がよいため、振動特性の測定が重要である。従来、振動特性を測定するため加振力センサを内蔵したインパクト(インパルス)ハンマが利用されている。加振試験では、試験者が手動によりインパクトハンマで被測定物(機械構造)を打撃し、打撃したときの加振力を加振力センサで測定する。同時に、被測定物に取り付けた3軸加速度計等で被測定物の振動を測定して、コンプライアンス伝達関数を導出する。理想的なインパルス(加振力)はピーク力無限大で時間幅ゼロだが、手動によるハンマ打撃で十分な加振を行うにはある程度大きいハンマが必要となる。その場合、時間幅が長くなり、高周波数の加振力は小さくなる。そのため正確な加振力波形の測定と解析結果による補正が行われる。ハンマおよびティップは被測定物によって適したものを複数種類から選択する必要がある。ティップは硬い方が時間幅は小さくなるが被測定物に打痕が残る恐れ等がある。また、ハンマの重さは被測定物の重さに合せて調整する必要がある。重すぎると二度打ちを生じて特定の周波数の測定精度が低下し、軽すぎると十分な加振力が得られない。さらに、回転中はハンマで打撃困難のため回転体は測定困難である。
本技術は、ハンマより小さい、直径数mmのソフト弾(例:BB弾)を高速で被測定物に撃ちつけて加振することが特徴である。弾丸の素材は、被測定物よりやわらかい硬質樹脂や軟質金属で打痕を残さない。弾の寸法は、概ねこれに比例して加振の時間幅が小さくなるため、被測定物に対して十分に小さくすることで実質的に理想のインパルス加振を行うことができる。したがって、様々なインパクトハンマや加振力センサを用意する必要はなく、その力の測定・解析も必要ない。また、二度打ちが発生せず、回転体の測定も容易である。

Expectations

  • 研究室にてBB弾を用いて、静止体および回転体の振動特性を測定し、コンセプトを実証済み。
  • インパクト用発射ソフト弾、発射デバイス、振動センサ、振動特性解析ソフトを含むシステムの実用化開発に取り組むパートナー企業および本システムのユーザー企業を募集中。

Patents

  • 特許出願済(未公開)

Researchers

社本英二 教授(東海国立大学機構 名古屋大学大学院工学研究科)


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