タンパク質細胞導入剤

2024/05/29 10:52 - By Tech Manage

タンパク質を細胞内へ輸送する効果を持つナノカーボン化合物

Advantages

  • アニオン性タンパク質輸送用およびカチオン性タンパク質輸送用の化合物があり汎用性が高い。

Background and Technology

タンパク質や核酸等の生体高分子を細胞に導入する技術は、ゲノム編集に必須であり、基礎研究や医薬品開発において重要なツールである。特にタンパク質を直接細胞に導入できれば、核酸を介した転写・翻訳・修飾等を必要としないため効率的であるが、タンパク質は核酸に比べ表面電荷が複雑であり導入が難しい。これまで報告されているタンパク質の細胞内輸送方法は、マイクロ流体デバイス・膜透過ペプチド・細胞由来ベシクル・ウイルス用合成ナノ粒子・脂質ナノ粒子・無機ナノ粒子・ポリマー等が挙げられれるが、十分ではない。
私たちは様々なナノカーボン化合物を用いてHela細胞へのタンパク質輸送実験を行ったところ、カチオン性およびアニオン性タンパク質それぞれに細胞内輸送効果を持つ化合物を見出した。市販のタンパク質細胞導入試薬(ProteoCarry、PULSin等)と比べ同等以上の輸送効率を示した。

Expectations

  • 現在、タンパク質の細胞内輸送効果を持つナノカーボン化合物を同定し基礎的評価を行っている段階
  • 本ナノカーボン化合物および誘導体をタンパク質細胞内輸送剤として開発する研究試薬企業を募集中。

Patents

  • 特許出願中(未公開)

Researchers

伊丹健一郎 教授(トランスフォーマティブ生命分子研究所)
天池一真 助教(名古屋大学 物質科学国際研究センター)


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