超高速変調(MHzスケール)が可能な一次元空間光変調器(1D-SLM)とコンプレックス光波面整形への応用
Advantages
- 既存最高速のSLMであるgrating light valveの速度を50倍以上回る。
- 超高速1D-SLMを用いて媒質の光散乱を高速で制御(コンプレックス光波面整形)することにより、高速・広範囲な光スポット走査、高解像度ディスプレイ、ダイナミックな生体組織深部の光スポット生成/イメージングへの応用を可能にする。
Background and Technology
空間光変調器(SLM)は、プロジェクタ、3Dディスプレイ、レーザー加工、レーザーマーキング、収差補正、ホログラフィックデータストレージ、ホログラフィック光ピンセット、生体サンプル深部への集光、フェムト秒レーザーのパルス整形など様々な分野で使われている。SLMのタイプには、液晶SLM、強誘電性SLM、digital micromirror device (DMD)、grating light valveがあり、grating light valveが一次元ながら最高速の変調速度(フレームレート)350KHzを有する。
カメラ(空間光検出)ではMHzスケールのフレームレートが実用化されており、空間光変調においてもMHzスケールのフレームレートを実現できれば用途の拡大が期待されるが、従来のSLMでは難しい。例えば、生きているマウス実験においては、サブミリ秒スケールで組織の散乱応答が動的に変化するため、既存の光学系やSLMでは、組織深部(2mm以上)に光スポットを生成することはできない。そのため、超高速なSLMが求められている。
私たちは、既存の2次元SLMの面をラインビームで連続的に走査スキャンして1次元に変換することにより、超高速(MHzスケール)で一次元空間光変調を行う方法・装置を開発した。
Expectations
- 6MHzのフレームレートが可能な1D-SLM光学系を試作済。更に10MHzを越えるフレームレートを実証。
- 超高速1D-SLMの試作・製品開発に協働で取り組むパートナー企業を募集中。また、超高速SLMを用いたアプリケーション(バイオフォトニクス、ディスプレイ等)の開発に協働で取り組むパートナー企業もあわせて募集中。
Publication
学会発表:Atsushi Shibukawa et al., The 58th Annual Meeting of the Biophysical Society of Japan, 20515S, (2020)。
Patent
特許出願:WO 2023/048159
Researcher
渋川敦史 准教授(北海道大学 電子科学研究所)
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