ダイヤモンド被覆層が工具母材から剥離しにくいシンプルな構造を備えるダイヤモンドコーティング工具
Advantages
- ダイヤモンドコーティング工具の耐久性を改善し、工具寿命が延びる。
- ダイヤモンドコーティング工具の使用用途が拡大する(例えば板状のCFRPとチタンを重ねて共穴加工する場合)。
Background and Technology
従来、セラミックス・超硬合金・CFRP(炭素繊維強化プラスチック)などの硬質材料の切削加工に、超硬合金製母材にダイヤモンドコーティングした工具が使用されている。これらの硬質材料の切削加工には単結晶ダイヤモンド工具や多結晶ダイヤモンド工具も使用されるが、これらに対しダイヤモンドコーティング工具は安価であり自由度の高い形状をとることができるため大きなメリットがある。一方で、ダイヤモンドコーティングは剥離の問題があり、切削対象の材料や用途によってはダイヤモンドコーティング工具が使えない場合もある。例えば、従来のダイヤモンドコーティング工具は、超硬合金の加工が可能であるが、工具のダイヤモンドコーティングが剥離することが問題になっている。
本技術は、ダイヤモンド被覆層が工具母材から剥離することを抑制するシンプルな構造を備えるダイヤモンドコーティング工具であり、耐久性を改善し工具寿命を延ばし、使用用途を拡大することを可能にする。
Expectations
- 図のダイヤモンドコーティング工具において、切れ刃部31が被削材から切削力を受けると、逃げ面20に形成されたダイヤモンド被覆層30は、第1逃げ面21の延在方向に切削力による剪断荷重を受ける。このとき逃げ面側段差部22は、ダイヤモンド被覆層30に作用する剪断荷重を受け止めることで、第1逃げ面とダイヤモンド被覆層との剪断剥離を抑制する剥離抑制構造として機能する。すくい面10においても同様。
- ダイヤモンドコーティング工具製造企業と協働し、本技術の実用化を進めたい。
Patents
- 特許第7038415号、特許第7222561号
Researcher
社本英二 教授(東海国立大学機構 名古屋大学大学院工学研究科)
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