ダイヤモンド工具による窒化鋼表面の切削加工

2023/11/28 10:24 By Tech Manage

表面を窒化処理した窒化鋼(超精密微細金型材等)をダイヤモンド工具で精密切削加工する方法、その切削加工に供される窒化鋼、その切削加工法で加工した金型

Advantages

  • ダイヤモンド工具で高硬度金型鋼を切削加工する時の急速な工具摩耗の問題を解決する。

Background and Technology

高硬度金型鋼材をダイヤモンド工具で切削加工するとダイヤモンドの炭素原子が鋼材に侵入することにより急速な工具摩耗が生じるため、実用に供さない。
そのため、高硬度金型は、その表面に無電解NiPめっきを施し、そのめっき層をダイヤモンド工具で精密切削加工することで製造されるが、NiPめっき層は硬度が十分に高くないため耐久性等に課題がある。
この問題を解決するために、アトム窒化法等により鋼材の表面に拡散窒化処理を施しその窒化層を切削加工する技術が提案されている。ところが、窒素濃度が低ければ、ダイヤモンド切削工具の炭素原子が鋼材に侵入して、工具摩耗が生じ得る。
本技術は、鋼材表面を十分な窒素濃度で窒化し、その窒化層をダイヤモンド工具で切削加工することで工具摩耗を抑制する。

Expectations

  • ダイヤモンド工具摩耗を抑制するために、窒化鋼材表面の窒素濃度範囲で切削を制御することで実用的なダイヤモンド切削を実現できることを実証済。
  • ダイヤモンド工具を使用した窒化金型鋼の直接鏡面切削により、粗さRa2nm、形状精度PV47nmを達成(右図:https://www.astf.or.jp/innovation-ecosystem-project から抜粋)。
  • 最終的な切削加工を行う超精密微細金型企業や精密機器製造企業および窒化処理を受託する熱処理企業と協働し、本技術の実用化を進めたい。

Patents

  • 特許第6839884号、特許第7032883号

Researcher

社本英二 教授(東海国立大学機構 名古屋大学大学院工学研究科)

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