多発性嚢胞腎治療薬

2024/03/05 20:48 - By Tech Manage

常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の治療標的分子およびアンチセンスオリゴ核酸(ASO)治療薬

Advantages

  • 独自の人工修飾核酸ASOが、動物モデルへの皮下投与により腎臓に集積
  • 複数の作用機序(嚢胞形成抑制・腎線維化抑制・血管内皮障害改善)による腎機能の改善

Background and Technology

ADPKDは、嚢胞性腎疾患のひとつであり、常染色体顕性遺伝による単一遺伝子PKD1/2変異による先天性疾患である。発症頻度は3000人に1人であり、単一遺伝子変異疾患としては最多とも言われる。肝臓と腎臓に嚢胞が形成され、腎肥大を呈し、60代後半で約半数の患者が維持透析を要する。進行を遅らせる特異治療薬として世界で唯一バソプレッシンV2受容体拮抗薬が承認されているが、その効果はまだ十分と言えない。

私たちは、ADPKDの治療標的分子を同定し、その分子をノックダウンするために、独自の人工修飾核酸を用いて安定化したASOを開発し、その効果を確認した。

Expectations

  • 私たち独自の人工修飾核酸ASOは、嚢胞腎モデル動物への皮下投与で腎臓に集積し、in vivoで安定したノックダウン効果を示した。治療効果として、嚢胞形成抑制・腎線維化抑制・血管内皮障害改善に関わるマーカーの改善、腎肥大の抑制、腎機能の改善を示した。また、独自の人工修飾核酸はよく知られている人工修飾核酸であるLNAよりも安定した腎肥大抑制効果を示した。
  • 現在、in vitro で作用機序の詳細を解析中。
  • ADPKDに対するASO治療薬として、非臨床・臨床開発する協働パートナー企業を募集中。

Patents

  • 特許出願済(未公開)

Researchers

加藤 規利(名古屋大学医学部附属病院 腎臓内科)


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