プラチナ抵抗性卵巣がんに対するコンパニオン診断を伴うJAK阻害剤による新規治療戦略

2024/05/14 12:51 - By Tech Manage

体液中EV-miRNAバイオマーカーによりプラチナ抵抗性卵巣がん患者を特定し、JAK阻害剤により治療を行う

Advantages

  • 明確な定義や治療法の無かったプラチナ抵抗性卵巣がんに対する新たな診断/治療方法
  • JAK阻害剤のリパーパシング
  • コンパニオン診断

Background and Technology

卵巣がん(OvCa)患者にとって、白金製剤抗がん剤に対するプラチナ抵抗性(PltR)は最も重大な課題であるが、PltR の定義は曖昧であり、メカニズムは不明であった。
私たちは、PltR-OvCa 患者のがん組織および腹水中の細胞外小胞 (EV) におけるmRNAおよびmiRNAを解析した。その結果、PltR-OvCa患者 のがん組織における JAK/STAT 経路の有意な活性化、および腹水中のEVにおいて複数のmiRNA の発現亢進を見出した。
OvCa 細胞株において、前記miRNA の過剰発現により、JAK/STAT発現が亢進し、シスプラチンに対する抵抗性が獲得された。 また、関節リウマチ治療薬として臨床応用されているJAK 阻害剤の投与は、OvCa 細胞株およびシスプラチン抵抗性 OvCa 細胞株、ならびに同細胞株を移植した担がんマウスモデルにおいて増殖抑制効果を示した。さらに、JAK 阻害剤とシスプラチンの併用投与は、シスプラチン抵抗性 OvCa 細胞株の増殖抑制について相乗効果を示した。

Expectations

  • プラチナ抵抗性卵巣がんに対するコンパニオン診断を伴うJAK標的療法について、動物実験により薬効を確認済。
  • プラチナ抵抗性卵巣がんの治療薬として、JAK阻害剤のリパーパシング開発の協働パートナーを募集中。あわせてコンパニオン診断の開発パートナーを募集中。
  • 本研究室は、卵巣がんや婦人科系疾患に関するバイオマーカー等の研究成果を多く有しており、コラボレーションが可能。

Patents

  • 特許出願済(未公開)

Researchers

横井 暁(名古屋大学医学部附属病院 産婦人科 講師)


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