骨形成促進剤(骨折・脊椎固定術・骨粗鬆症治療)

2024/08/21 13:26 - By Tech Manage

成長因子(BMP2, FGF2等)と多硫酸化糖鎖ペプチドの複合体が結合することを利用し、成長因子を骨表面特異的にデリバリー・集積・濃度維持させることで、骨形成を促進する。

Advantages

  • 従来のBMP2+足場材料(コラーゲンスポンジ)より高い骨誘導能
    →より低濃度の成長因子(BMP2等)での治療が可能
  • 臨床現場では、人工骨に含浸もしくは移植骨に混ぜるだけ
  • 様々な成長因子と結合可能
  • 全身投与による治療も可能(骨粗鬆症治療)
  • 臨床使用実績のある成分の組み合わせ

Current Stage and Key Data

  • 早期の前臨床研究段階。
  • LMWH-D8とBMP-2(2μg)を含侵させた人工骨により母床との間隙なく骨が形成された。


Background and Technology

難治性骨折や脊椎固定術等の治療において、早期の骨癒合(骨再生)は患者のQOLによって重要である。従来の骨再生方法として、自家骨移植・人工骨(骨補填材)・同種/異種骨移植・BMP+足場材料・細胞療法等が存在するが、それぞれ侵襲性・骨誘導能・拒絶反応・治療コスト・安全性等の課題がある。欧米では、BMP-2が承認され、吸収性コラーゲンスポンジを足場材料として併用されている。しかしながら、治療費は高価であり、BMP徐放が早く、拡散してしまうため、高濃度投与が必要であり、腫脹や異所性骨化の問題が指摘されている。
BMPと多硫酸化糖鎖(低分子ヘパリンまたはコンドロイチン硫酸E)が結合すること、およびアスパラギン酸ペプチド(Asp-8)が骨に特異的に結合することが知られている。私たちは、それらの性質を利用して、多硫酸化糖鎖とAsp-8を結合した分子(LMWH-D8)を開発した。BMPとLMWH-D8の複合体は、BMPを骨周辺にデリバリー・集積・濃度維持し、骨形成を促進する。

Expectations

  • 独占ライセンスパートナーを募集中。

Patents

  • 国際特許出願済み:公開番号WO 2024/080183

Researchers

野澤 聡 (岐阜大学 医学部 整形外科)


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