歯磨剤・洗口剤等、歯科分野で広く利用される成分をゲル化剤またはマウスピース等に担持し、持続的に口腔・咽喉に徐放することによりウイルス感染を防御。
Advantages
- 口腔・咽喉からのウイルス感染を防御。
- 歯科分野で以前から使われていた安全な成分。
- マスクの代替やマスクと併用による相乗効果。
Background and Technology
新型コロナウイルスのパンデミックやインフルエンザウイルスの流行等、ウイルス感染の脅威が日々の生活に大きな影響を及ぼしている。パンデミックの経験を通して、マスク・手洗い・うがいをする、三密(密閉・密集・密接)を避ける等、感染防御に対する知識を身に付け日常の行動のすべてにおいて感染予防を徹底することが常識となっていた。一方で、新型コロナウイルスの収束に伴って、マスクについては、外見・息苦しさ・暑さ・皮膚炎等の問題もあることから、装着機会が減少しつつある。しかしながら、新型コロナウイルス感染やインフルエンザウイルス感染は今なお一定の流行を継続・繰り返しており、通常の生活の質を維持しつつ、より効果的に感染防御できる方法が求められている。
歯磨剤などに含まれる塩化セチルピリジニウム(CPC)は、コロナウイルス・インフルエンザイウルス・ヒトヘルペスウイルス等に対する抗ウイルス効果があることが報告されている。しかしながら、歯磨剤や洗口剤として使うだけでは、口腔内に長く留まることができず、効果は不十分である。
本発明は、CPCを適切に含有する口腔用ゲル組成物であり、CPCを口腔内に持続的に徐放できることが特長である。本ゲル組成物をゲル剤、舌下錠剤、トローチ剤、ガム剤、軟膏、スプレー剤、またはマウスピース担持等の製剤化により口腔内に留置することにより、CPCが持続的に口腔内に留まることが可能になる。そのため、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス等の不活化と予防に有効であると思われ、マスクの代替やマスクと併用による相乗効果が期待できる。
Expectations
- CPCをゲル化し各剤やマウスピースの担持等の製剤化をCPCの流出速度を検証し、数時間にわたり必要濃度の流出を維持することを確認済。
- 今後、最も効果的な使用方法を検討し、実際の口腔内における有効なCPC濃度の持続時間の検証をよび抗ウイルス効果を検証する予定。
- 本技術の実用化に向けて、共同研究や特許ライセンス提供を通じて、製品・臨床開発を行う協働パートナー企業を募集中
Patent
- 本発明に関して特許出願済(未公開)
Researcher
川本(渡邉)千春 助教・(兼)臨床講師(北海道大学大学病院 むし歯科)
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