植物成長ホルモンであるブラシノステロイド(BR)から誘導された非ステロイド型化合物を有効成分とする植物成長調整剤
Advantages
- 本化合物は天然BRと同等の高い植物成長活性をもち、同時に高い安定性をもつ
- 本化合物は合成が容易である
Background and Technology
ブラシノステロイド(BR)はステロイド骨格をもつ植物成長ホルモンであり、これまでに70を超えるBRが天然から発見されている。BRは植物の成長と発達に重要な役割を果たし、主に細胞伸長・分裂・屈折・木部分化・種子発芽などを促進する。しかし、BRは抽出が難しく、合成に10ステップ以上必要で合成コストが高く、さらに代謝安定性が低いため、農業利用が進んでいない。また、これまでに研究報告された合成容易なBR非ステロイド型誘導体やBRシグナルパスウェイ制御剤は、低活性・毒性・低安定性のいずれかの問題で使用が限られている。
私たちは、BRをベースにして非ステロイド型構造を持つ新規誘導体を合成した。当該誘導体は、イネのラミナジョイントアッセイにおいて天然ブラシノステロイド(エピブラシノライド/epiBL)と同程度の活性を示した(下図)。また、当該誘導体の合成は容易であり、わずか4ステップで合成可能である。
Expectations
- ブラシノステロイドと同等の高い植物成長活性を示す安定な新規化合物を合成し、イネのラミナジョイント屈曲アッセイで効果を確認済
- 合成収率の向上および更なる誘導体展開を検討中
- 本技術をベースに植物成長調整剤を開発する協働パートナーを募集中
- 初期評価・フィージビリティスタディの目的で、CDA/MTAを締結して未発表情報/少量の化合物を提供することが可能
Publications
未発表
Researcher
伊丹健一郎 教授(名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所/ITbM)
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