トリプレットリピート病治療薬

2024/03/12 14:03 - By Tech Manage

CAG/CTG(CWG)トリプレットリピート神経疾患における病原性RNAの発現を選択的に抑制する
環状ピロール-イミダゾール ポリアミド(cPIP)

Advantages

  • 末梢投与で脳内移行、高い細胞透過性・核内移行性および低い細胞毒性を示しDDSが不要
  • 異常伸長リピート選択的に転写抑制し、正常リピート分子へのオフターゲット効果なし
  • 翻訳・非翻訳領域双方の異常伸長リピートに対して有効

Background and Technology

ゲノムDNAのCAG/CTG (CWG) 配列の繰り返しの異常伸長が、重篤な遺伝性神経疾患であるトリプレットリピート病を引き起こす。例えば、翻訳領域CAGリピート伸長:ハンチントン病(HD)、非翻訳領域CTGリピート伸長:筋強直性ジストロフィー1型(DM1)等である。

N-メチル-ピロールおよびN-メチル-イミダゾールがアミド結合したポリアミド(PIPs)は、単純なDNA認識ルールに基づいて標的DNA配列にあわせて配列設計され、標的DNAの副溝に作用し特異的に結合する。私たちは、新たな治療モダリティとして様々なPIPsを合成し、抗がん剤、DNAプローブ、遺伝子制御を目的として研究してきた。更に、環状PIPsがより高い結合性を示すことを見出し、CWGトリプレットリピート神経疾患における異常伸長リピート選択的に転写を抑制するCWG-cPIPを開発した。

Expectations

  • DM1/HDのマウス神経細胞モデルおよび患者由来の線維芽細胞において、それぞれRNA凝集体/異常タンパク質の減少を確認(in vitro)。
  • DM1/HDの脳特異的CWGリピート発現マウスにおいて、脳室内投与でRNA凝集体陽性細胞/polyQ凝集体陽性細胞の減少、電気生理学的改善、認知機能改善(上図)を確認(in vivo)。
  • cPIPの末梢静脈内投与による脳内移行が確認され、長期薬効評価を実施中。
  • トリプレットリピート病の治療薬として前臨床・臨床開発する協働パートナー企業を募集中。

Publications

Researchers

塩田 倫史 教授(熊本大学 発生医学研究所 ゲノム神経学分野)


Please click here to see English summary.

以下のフォームからお問い合わせください

Tech Manage