植物のマグネシウム濃度センシングをゲノム編集で制御し、高濃度マグネシウム塩耐性を付与する方法、
および同方法により作成した塩害耐性農作物
Advantages
- 高濃度マグネシウム(Mg)塩耐性を植物に付与する初めての方法
- 植物について実用化実績のあるゲノム編集を用いた方法
- 高濃度Mg2+耐性以外の影響はなく、多くの農作物に適用可能
- ナトリウム塩(NaCl)耐性と組み合わせて、塩害耐性の農作物が開発可能
Background and Technology
地球温暖化による異常気象による大型台風や海水面の上昇に起因する農作物の塩害被害は、世界の多くの地域で深刻な問題となってきている。今後、地球温暖化が進むにつれて農作物の塩害被害はますます増加することが予想されるため、塩害に強い農作物の作出が望まれている。塩害の主な要因は、海水中に含まれる高濃度のNa+イオン及びMg2+イオンである。Na+については従来から耐性メカニズム等がよく研究されているが、Mg2+のセンシングや耐性のメカニズムは明らかではない。
私たちは、植物がMg2+の濃度をセンシングするメカニズムの一部を解明し、ゲノム編集で制御する方法を開発した。その結果、高濃度Mg2+に対する耐性を植物に付与することに成功した。
このメカニズムは被子植物から裸子植物まで広く保存されており、多くの作物に高濃度Mg2+耐性を付与できる。
Expectations
- 植物がMg2+濃度をセンシングするメカニズムをゲノム編集で制御し、高濃度Mg2+耐性のシロイヌナズナを作出済(上図)。
- 今後、様々な作物で実証し、Na塩耐性と組み合わせて、塩害耐性作物を作出したい。研究開発に協力いただけるパートナー企業を募集中。
Publication
- 学会発表済
Researcher
尾之内 均 教授(北海道大学大学院農学研究院)
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