トリコテセン系カビ毒DON(デオキシニバレノール)およびNIV(ニバレノール)とそれぞれ選択的に反応するモノクローナル抗体群
Advantages
- これまで特異的抗体がなかったNIVに対して特異的に反応する世界初のモノクローナル抗体
- NIVを含むトリコテセン系カビ毒を網羅的に検出できる簡易迅速検査キットを構築可能
Background and Technology
赤カビ病菌であるFusarium graminearumが産生するDONやNIVは麦類を汚染し、これを摂取したヒトや家畜に健康被害をもたらすことが知られている。
DONおよびNIVは、農林水産省や世界保健機構(WHO)によってリスク管理が必要なかび毒に挙げられており、簡易免疫測定法による生産現場での迅速検出が求められている。
DON を対象としたイムノアッセイキットは市販されており検査規格が定められている。
一方で、NIVの毒性はDONと同等以上であるものの、NIVを特異的に反応する抗体の開発が難しかったためイムノアッセイキットはこれまで存在せず、検査規格も定められていない。
そのため、特にNIVについての抗体・簡易免疫測定法の開発は重要である。
今回、農林水産省のプロジェクトにおいて、DONおよびNIVの免疫測定法の開発に取り組み、独自の免疫原調製方法により、DONおよびNIVのそれぞれに特異的に反応するモノクローナル抗体を取得した。
本技術により、トリコテセン系カビ毒を網羅的に簡易検出が可能になり、安全な麦の生産に貢献できる。
Data
モノクローナル抗体の反応特性(直接競合ELISA)
Expectations
- DONおよびNIVの調製免疫原および特異的モノクローナル抗体を取得済
- 独自の調製免疫原を用いて更に高性能の抗体や類縁体に対する抗体を取得可能
- 免疫原および抗体(産生細胞)を提供可能
本技術の免疫原・抗体を基に簡易なイムノアッセイキット製品の開発・販売するパートナー企業およびキット製品を利用する検査センターや穀物・食品メーカーを募集しております。
Patents
特許出願中
Researchers
三宅 司郎 教授 (麻布大学 生命・環境科学部 食品生命科学科 食品衛生学研究室)
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