人工的にデザインした低分子リガンド1-(4-hydroxyphenyl)-3-phenylurea (HPPU)、
およびそれに対する高親和性・高特異性を示す最適化された人工抗体(Monobody)。
一般的に使われているアビジン-ビオチン系の代替になりえる。
Advantages
- 高い親和性と特異性(Kd=8nM)
- 1対1の結合(アビジンは4量体でありアビジン-ビオチン系は1対多の結合)
- HPPUは自然界に存在しない(ビオチンは天然物質であり、生体内に存在しノイズになる)
Background and Technology
低分子リガンドに特異的に結合するタンパク質は、生物学の研究において重要な役割を果たしている。最も一般的なものでは、ビオチン-アビジン相互作用が挙げられる。
しかし、アビジンは四量体であるため、ビオチン化した標的分子とアビジンを「1対1」で結合させることは難しい。
また、ビオチンは天然の化合物であるため、生体内に存在するビオチンやビオチン化タンパク質もアビジンと結合してしまう。
このような点から、非天然の小分子に「1対1」の関係で結合し、かつ高い親和性と特異性を持つタンパク質の開発が求められている。
人工的にデザインした低分子リガンドである1-(4-hydroxyphenyl)-3-phenylurea(HPPU)に特異的に結合する人工抗体(Monobody)候補を独自技術のTRAP法を用いて1013の多様性をもつ人工抗体ライブラリから選択した。
更に最適化を行うことにより最終的な本人工抗体を取得した。
Data
- 本人工抗体はHPPUに対して高親和性 (Kd = 6.6 nM)
- 本人工抗体はベンジル基を持つHPPUには結合しない
Patent
特許出願中(未公開)
Researcher
村上 裕 教授(東海国立大学機構 名古屋大学 大学院工学研究科)
Expectations
本技術の研究用試薬・キット製品化を目指して協業パートナー企業を募集中
- 現在の研究段階:HPPU-人工抗体系は構築済、細胞解析への応用研究中
- CDA/MTAによりフィージビリティスダディ
- 有償ライセンスによる開発と論文発表後の商用化
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