糖尿病の改善など広範な代謝活性化効果を持つセンサー分子CtBP2をペイロードとすることでマウスにおける寿命延長効果が確認された
Advantages
- 代謝活性化メカニズムが明確: CtBP2がNADHや脂肪酸CoAといった代謝物をセンサーとして認識し、代謝するメカニズムが解明されている
- マウスモデルでの寿命延長効果の実証: NADHと結合した活性型CtBP2を含むエクソソームをマウスに投与することで、生存期間が有意に延長することを実証した
- ヒトへの応用可能性の裏付け: ヒト血清中のCtBP2濃度が長寿家系で有意に高く 、加齢に伴い緩やかに減少する相関を示した
Background and Technology
CtBP2(C-terminal Binding Protein 2)は、細胞内のNADH や脂肪酸CoA などの代謝物を感知し、代謝関連遺伝子の発現を調節する代謝センサー分子である。CtBP2が脂肪酸CoAと会合すると、二量体としての機能が失われ、メタボリックシンドロームに関与する遺伝子群の抑制が解除され、代謝制御の破綻が引き起こされることが明らかになっている。
発明者らは、メトフォルミンなどの長寿に関連するといわれている化合物の投与によって、CtBP2がNADHと会合して活性化し、エクソソームに取り込まれて血中へ分泌されることを発見した。さらに、このエクソソームに包含された活性型CtBP2をマウスへ投与したところ、寿命延長効果が認められた。また、ヒト血清中のCtBP2濃度を測定した結果、長寿家系では血中CtBP2濃度が有意に高く、また年齢とともに緩やかに減少する傾向があることも確認された。
Data
- CtBP2を含むエクソソームをマウスに投与した結果、 寿命が有意に延長した。
- 長寿家系では血中CtBP2濃度が有意に高く、また年齢とともに緩やかに減少する傾向があることも確認された。

Expectations
筑波大学は、本技術シーズである「CtBP2搭載エクソソーム」を基盤とした治療薬の実用化に向け、エクソソーム医薬に関する開発ノウハウを有する企業との共同研究パートナーを募集しています。共同研究のテーマとして、CtBP2の発現系や精製、NADHとの会合などの基盤技術の開発を筑波大が主導し、エクソソームの調整や封入などを企業様に担当していただくような想定をしております。筑波大学との秘密保持契約締結による未公開データ等の開示のほか、研究者との直接のご面談によるお打合せも可能です。
Patents
特許第6894119号、出願中(未公開)特許あり
Publication
- Sekiya, M et al., Cell Reports. Vol. 42, Issue 8, 112914 August 29(2023)
DOI: https://doi.org/10.1016/j.celrep.2023.112914 - Sekiya, M et al., Nature Communications. 12:6315 (2021)
DOI: https://doi.org/10.1038/s41467-021-26638-5
Researchers
関谷 元博 准教授 (筑波大学 医学医療系)
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