尿サンプル中のMarker AとMarker Bの測定により、感度:94.3%、特異度: 63.4%、AUC=0.870で大腸がんのリスク診断が可能
Advantages
- 簡便な尿検査で大腸がん患者のスクリーニング検査が可能
- 感度が約70%と言われる便潜血検査よりも感度が高い
- 早期ステージ患者のスクリーニング方法としても優れている
Background and Technology
大腸癌診断のゴールドスタンダードは、大腸内視鏡検査・生検診断であるが、侵襲性が高く検査にかかる費用や時間を要するため、検診におけるスクリーニング検査には適していない。無症状者に対する大腸がんの1次スクリーニングには便潜血検査が用いられる。ステージ2以降の大腸がん患者であれば約70%以上の感度があるといわれている一方で、初期のステージ0-1の患者に対しては多く見積っても30%以下であることから、大腸がんの早期発見という観点では満足な検査とは言えない。
発明者らはDiscovery Cohortの32名(健常者16:大腸がん患者16)の尿中たんぱく質の質量分析の網羅的な解析より同定された15の分子に対して、Training Cohortの220名(健常者110:大腸がん患者110)の尿サンプルを用いたELISA解析を行ったところ、Marker A、Marker Bを含む4因子の発現に有意差があることを見出した。
Data
- 尿中タンパク濃度(絶対値)による診断精度(左表)、大腸がんステージ別の尿中Marker A濃度(右図)感度:94.3%、特異度: 63.4%、AUC=0.870で大腸癌を診断可能であり、Stage0-1の早期大腸がん患者の診断においても感度:93.8%、特異度: 61.6%、AUC=0.852の精度であった。
Expectations
本発明を元にした大腸がんのスクリーニング検査キットを開発していただける企業様を求めています。特に、ELISAやラテックスを用いた定量法などイムノクロマト法以外でのキット開発を希望しています。
Patent
特許出願中(未公開)
Researcher
志村 貴也 先生(名古屋市立大学大学院医学研究科・消化器・代謝内科学)
Please click here to see English summary.
以下のフォームからお問い合わせください