卵巣組織に発現するPOTEタンパク質に対する自己抗体によるPOI診断
Advantages
- 女性の1%に発症するといわれているPOI診断に対して社会的なニーズが高い
- POIのリスク診断マーカーとして確立されれば、女性に対する定期診断への適用も考えられる
- 経血診断などのサンプリングデバイスとの組み合わせも可能
Background and Technology
早発卵巣不全 (POI:Premature Ovarian insufficiency)は、40歳未満の早い時期に月経が来なくなる疾患で、女性の約1%に発症するといわれている(図)。POIと診断されれば体外受精の技術を用いた受精卵/未受精卵凍結などの選択肢もあることから、晩婚化と出産年齢の高齢化が進む先進国においては、POIのリスク診断についての社会的なニーズは高い。POIは甲状腺や副腎の自己免疫疾患との関連が指摘されているものの、原因はほとんど明らかになっていない。
発明者らは、POIかつ甲状腺自己抗体陽性患者の血清を用いたプロテオーム解析を行い、卵巣に対する自己抗体の抗原となる分子(POTEF, POTEE)を同定し、リコンビナントPOTEタンパクを用いたPOI患者の自己抗体の測定系を作成した。現在500人の血清検体に対してPOTE抗体の測定を行い、特定患者をトレースすることを計画している。
Data
POI群において抗POTEF自己抗体の濃度が有意に高かった。縦軸はコントロール血清50倍希釈時の濃度を50 IU/Lとして算出した濃度
Expectations
本研究により同定されたPOTEタンパク質に対する自己抗体の検出系を共同開発しPOI診断製品の実用化に取り組んでいただける企業様を探しています。自己抗体の検出技術を有している企業様との協業に特に期待しております。
Publications
Cell Death Discov. 2021; 7: 186. (doi: 10.1038/s41420-021-00566-1)
Patents
特願2019-181118
Researcher
大須賀 智子 先生、高崎 延佳 先生
(名古屋大学 大学院医学系研究科 産婦人科)
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