難焼結性金属・セラミックスの「加工自由度」を高める技術

2025/10/22 10:49 - By Tech Manage

高融点・高硬度で複雑な加工が困難な難焼結性材料を、低コストかつ高精度・複雑形状に加工する

Advantages

  • 加工自由度の向上:仮焼結による硬度調整で、穴加工・切削・研削など一般機械加工を適用可能とし、従来困難だった複雑形状の成形・加工を実現できる
  • 材料適用範囲の広さ:ホウ素、炭化ケイ素、イットリア、窒化ホウ素、ジルコニア、炭化ホウ素、アルミナ、炭化タングステン、窒化チタン、炭化チタン、モリブデン、タングステンなど、多様な高融点・難焼結性材料に展開可能
  • 高純度焼結体の実現:タンタル箔によるゲッタリング効果で、炭素や不純物の混入を防止し、高品質・高純度な焼結体を製造

Background and Technology

高融点セラミックス・高硬度材料・共有結合性物質(例:ホウ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素等)は、航空宇宙・エネルギー・エレクトロニクス・高温構造分野で需要が高まっている。しかし、その高い硬度ゆえに複雑な形状の機械加工が困難で、成形型のコスト増や長時間加工によるコスト高が課題であった。また、従来の粉末冶金法では形状の自由度にも制限があった。
また、核融合炉研究分野においても、ホウ素は次世代核融合燃料や中性子遮蔽材として重要な材料である。一方で、その加工性の悪さから、燃料用ペレット成形に用いられるカプセル工法には、不純物汚染やホウ素充填効率の低さといった問題があった。本研究者らは、この課題に対し、仮焼結状態で一時的に加工可能硬度を保持させ、機械加工後に本焼結へと移行する二段階プロセスを開発した。特にタンタル箔に材料を充填、焼結することで、不純物汚染を抑え、高純度焼結体を得られることを見出した。

Data

  • ホウ素、各種炭化物 (SiC, B4C, WC, TiC)、各種窒化物 (BN, TiN)、酸化物 (Y2O3, ZrO2, Al2O3)、および金属(Mo, W)に対し、本技術を適用し、ドリルによる穴加工・切削など一般機械加工の実証データあり。図はホウ素焼結体に対する穴加工(a)、切削加工(b)を示す。



Expectations

本技術の活用や本研究者とのコラボレーションにご興味のある企業を探索しております。例示以外の難焼結材料への応用に関するコラボレーションも歓迎いたします。ご興味ございましたら、追加情報の提供や次のステップとして本件研究者との面談をご提案いたします。

Patents

Publication

  • H. Noto, S. Takayama, et al., Plasma and Fusion Research, Vol. 20, 1205050 (2025). 

Researchers

能登裕之 助教、高山定次 准教授 (核融合科学研究所)

以下のフォームからお問い合わせください

Tech Manage